J2のFC町田ゼルビアは27日、相馬直樹監督(47)との契約を更新し、19年も続投すると発表した。

同監督は町田がJFLだった10年に監督を務め、1年で退任したが、J3に参戦した14年に4年ぶりに監督に復帰し、5季目となった今季は最終節まで優勝争いを展開。史上最高の4位でシーズンを終えた。19年が6季目、通算では7季目のシーズンとなるが、6季連続の指揮、通算7季目の指揮いずれも、クラブ最長記録を更新した。

町田は公式サイトで「クラブとしましては、今シーズン、過去最高位となる4位を成し遂げ、クラブを発展させていただきました。目標としている2020シーズンのJ1挑戦に向け、相馬監督のもと、継続して築いてきたベースをさらに進化させ、強化を続けていきたいとの考えで続投をお願い致しました」と説明した。

17日にホームの町田陸上競技場で行われた東京ヴェルディとの最終戦を視察した、町田の親会社サイバーエージェントの藤田晋社長(45)は「まず、J1ライセンスを取得するためのハード面を整えるのに専念する」と、19年に取得を目指すJ1ライセンスの壁となっている、天然芝の練習場とクラブハウスの整備に注力する考えを示した一方、来季の戦力の補強についても言及。「監督と1度、どのように考えているかお話ししたい」と、相馬監督と会談する意向を示した。去就についても「監督も、ちょっと含めて…」と、来季に向けてクラブと1度、しっかり話をしたいという意向も明かし、続投は明言しなかったが、最終戦から10日後の続投発表となった。

町田は、悲願のJ1ライセンス取得、そしてクラブの飛躍を期し、10月にサイバーエージェントの子会社になる道を選んだ。町田の運営会社・株式会社ゼルビアが第三者割当増資で発行する株式を引き受け、8割の株を取得し、子会社化すると発表。町田が新たに発行した普通株式2万2960株を1株につき5万円、総額11億4800万円で引き受けるとし、同16日の町田の臨時株主総会と取締役会で承認された。

町田陸上競技場の収容人数が1万328人で、1万5000席以上に設定されている施設基準に満たない上、練習施設の基準に達せず今季はJ1ライセンスが交付されなかった。ホームタウンの町田市は、観戦席を7000席増設する工事を19年に着工、21年の完成を目指し動いている。一方で練習場について、藤田社長は「我々の中では何とかなると思う。メドが立ちつつある。元々、我々が参画する前から準備されていたところもある。資金面の問題だけであれば、クリアできる」とし、町田市内に確保できる見通しが立ったと明言していた。

19年に目指すJ1ライセンス取得に向け、環境が整っていく中、史上最高の4位と結果を出した相馬監督の続投も決まった。町田は「2019シーズンは非常に厳しいシーズンとなることが予想されますが、より一層、町田に必要とされるクラブとして上を目指して戦いたいと思います」と公式サイトで意思を表明した。