参入1年目のジュビロ磐田U-18が、前日8日のトップチームに続いて残留を決めた! ホームで迎えた最終節で浦和レッズユースに0-0で引き分けた。リスクを最小限に抑える“残留仕様”のサッカーで貴重な勝ち点1を獲得。自力で、プリンスリーグ自動降格ラインの8位以上を確保した。

トップチームの歓喜から一夜明け、今度は、磐田U-18にその瞬間が訪れた。自力残留の条件は引き分け以上。同点のまま、後半ロスタイムも表示の2分が経過し、試合終了の笛が鳴った。世登泰二監督(52)は「この試合の最大の目標は残留。来年もこの舞台で戦えることは、下級生にとって貴重な経験になる。大きな財産をつかんだ試合だった」と目を細めた。

あえて理想は捨てた。序盤、前線からプレスを掛ける「本来のサッカー」を封印。失点のリスクを避けた。前半7分、右クロスからFW三木直土(2年)が頭で狙う。後半2分にはオフサイドの判定となったが、MF渡辺翔耶(1年)がネットを揺らした。好機では果敢にゴールにも迫り、相手のシュートは0本。終始、危なげない試合展開でミッションを達成した。

世登監督は「選手にはストレスをかけてしまったと思うが、そんな簡単に残れるリーグではない」。DF平松航主将(3年)も「『もっといきたい』という気持ちもあったけど、自分たちが招いたこと。思った通りの試合運びができた」と言った。全員で、必死に勝ち取った残留だった。

前日8日。J1参入プレーオフ決定戦でJ2東京ヴェルディを退け、J1残留を決めたトップチームの試合をスタジアムで観戦した。DF速水修平(3年)は「全員が強い気持ちでプレーしていたのを目に焼き付けた」。

“兄貴分”の戦いも背中を押し、参入1年目で最低限の目標はクリアした。だが、開幕から4連敗を喫すなど、結果は6勝2分け10敗の8位。DF鈴木海音(1年)は「3年生は自分たちのために、こういうサッカーをして(プレミアリーグに)残してくれた。その思いも背負って、来年は優勝争いをしたい」と誓った。苦しんだ経験を糧に、来季は必ず躍進する。【前田和哉】