日テレがなでしこジャパンFW田中美南(24)の決勝点で2大会連続13度目の優勝と、8季ぶりの3冠に王手をかけた。前半43分、中央のなでしこジャパンMF長谷川唯(21)が右サイドへ展開。再びボールを受けた長谷川が右クロスを上げ、中央に詰めたFW小林里歌子(21)のパスを田中が右足でポストをたたくも決めきった。

1点を守りきった日テレはリーグ戦、リーグ杯に続く3冠に王手。15、16、17年と3季連続で逃した3冠、大会2連覇まであと1勝とした。それでも永田雅人監督(45)は「ずっとこれからもうまくなり続ける中で過程のゲーム」と冷静。この日に関しては「ビッグゲームで取るべき選手が取っている。(人が)密集している中でも決めた。勝利に持ち込む数が増えている」とエース田中の貢献度を評価した。

ここまで決して順調な道のりではなかった。シーズン序盤は永田監督の期待に応えようと必死で、臨機応変な対応がなかなかできなかった。田中は「監督の言っていることを(本当の意味で)理解できていなかった。ただやっていただけだった」。徐々にチームとして理解度が深まり、強さが増していった。

勝負の一戦は元日にパナスタで行われる。エースは決勝に向けて「3冠を取りたいとずっと言ってきた。次の試合はいい準備をして入りたい。みんなで決勝に勝って喜んで帰りたい」と力を込めた。