J2アルビレックス新潟は12日、聖籠町のクラブハウス練習場で練習を行った。

20年シーズン入団が内定している特別指定選手のFW矢村健(21=新潟医療福祉大3年)が、この日からチームに合流した。昨季の北信越リーグで28得点を挙げ、得点王に輝いた逸材。高知キャンプに帯同し、開幕スタメンを目指す。

ウオーミングアップにボール回しと、合流初日から矢村は違和感なくチームメートとともにボールを扱った。昨秋から練習に参加してきた。16日からの高知キャンプには初帯同だが、「緊張はない。しっかりアピールしたい」と前向きだ。

昨年9月、20年の新潟入団と特別指定選手での登録が決まった。今季は新潟医療福祉大と重複だが、同大の佐熊裕和監督(55)からは「お前は(新潟医療福祉大の)戦力として考えていない」と言われた。もちろん、それは新潟で戦力になることを期待した、裏返しの表現。「特別指定の立場だけど、そこは関係なく開幕スタメンを目指すくらいの気持ち。それが新潟にも、大学にも刺激を与えられる」。恩師の思いに全力で応えるつもりだ。

裏への飛び出しを武器に、18年の北信越大学リーグ1部で28得点し、得点王。2位の12得点に倍以上の差をつけた。「北信越では通用する部分があった。それを磨いていきたい」。新潟の一員としてプレーすることで、さらに腕磨く。

高知キャンプには日記を持参する。2年生の11月、大学の地域選抜対抗戦「デンソーカップ」の関東B・北信越選抜選考会で、落選した。その悔しさから毎日欠かさず付け始めた。それが今は自己分析のデータだ。「キャンプでは先を見ず、1日1日を大切にする」。積み重ねを大切にし、新潟の戦力に名乗りを上げる。【斎藤慎一郎】

◆矢村健(やむら・けん)1997年(平9)6月9日生まれ、東京都出身。市船橋高(千葉)では3年のときに全国高校総体準優勝。新潟医療福祉大に進み、18年の北信越リーグ得点王。168センチ、66キロ。