「タイのメッシ」のJリーグ3シーズン目が、母国からスタートした。コンサドーレ札幌MFチャナティップ(25)がチームに合流した。

この日は「アジアチャレンジinタイ」(27日、対バンコク・ユナイテッド)の会見に出席。タイ代表としてアジア杯に出場していたが、合流3日目となる同戦の出場に意欲を示し、顔ぶれの変わった新チームを初優勝へ導く覚悟を語った。

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「チャナ」が帰って来た。昨年12月以来、約1カ月半ぶりにチャナティップがチームに合流した。関係者らなじみの顔を見つけると「ゲンキ? ヒサシブリ」。トレードマークの笑顔で再会を喜んだ。「目標はACL出場権を狙い、優勝まで導けるようなプレーヤーになること。チームの力になりたい」。新加入選手が多いチームの中で、大黒柱になる覚悟だ。

決意は、姿勢で示す。この日出席したのは、27日のバンコク・ユナイテッド戦へ向けた記者会見。タイ代表として20日までアジア杯を戦っていたばかり。疲労も心配されており、ミハイロ・ペトロビッチ監督(61)は「(出場は)自分で決めてもらう」と無理はさせない方針だが、チャナティップは「状態は悪くない。できる限りのパフォーマンスができれば」と、合流即出場に意欲。ピッチに立ち、新たな顔ぶれともコンビネーションを築いていく。

アジア杯では1ゴールを決め、同国の47年ぶり1次リーグ突破に貢献した。決勝トーナメント1回戦では中国に敗れ「本当はベスト8に行きたかった」と、悔しそうに振り返る。ただ4年に1度の大会では、自身の成長も実感できた。「Jリーグで得た経験が大きな力となった。活躍できたベースとなった」。感じた手応えが、今季への士気を高めている。

17年途中からスタートしたJリーグでのキャリアは3年目を迎える。昨季はJ初ゴールから一気に7得点でブレーク。ベストイレブンにも輝いた。指揮官も「今季も才能をJリーグの舞台で発揮してくれるだろう。さらに良くなると思っている」と期待。銀髪になったチャナティップが、さらなる飛躍を見せてくれる。【保坂果那】