悲願のリーグ初制覇を目指すセレッソ大阪は、“秘策”を導入したことが25日、分かった。

神戸との開幕戦を制し、開幕2連勝を狙う次節の名古屋戦(3月2日、パロ瑞穂)へ向けて、大阪・舞洲で練習を開始。けが人続出で苦しんだ昨季の反省を踏まえ、今季はその予防策として「CK値検査」を行っていることが判明した。

CKとはクレアチンキナーゼの略称。筋肉にエネルギーをためるときに働く酵素で、筋肉を損傷した際に高い値を示すという。導入について、大熊チーム統括部長は「昨季は肉離れが多かったから」と説明。日本代表でも取り入れられ、試合後に簡単な血液検査を行う。高い数値が出た選手には、強制的に練習を休ませるなど、長期離脱の大けがを阻むべく、対処する。

検査する機械は約70~80万円で、毎回の検査キットも安くない。しかし、長丁場を戦い抜くために、必要な投資と判断した。この日の練習は、主将のMF清武が別メニュー調整。開幕戦は70分の出場ながら総走行距離9・266キロ。ロティーナ監督は「回復に集中するために別メニューにした」と詳細は明かさなかったが「CK値検査」の結果による措置の可能性もある。

チームはスター軍団の神戸を下し、J1では13年以来の開幕戦勝利を飾った。指揮官は「少しの幸運があった。勝利は常に喜びを与えてくれる。チームが成長すべき点はたくさんあるが、喜びを持ってトレーニングできる」。いい流れで発進した新生セレッソが、科学のサポートも得て悲願へ進む。【実藤健一】