JFAアカデミー福島出身のJ1清水エスパルスMF金子翔太(23)が、今季初ゴールで被災地に勇気を届ける。9日のアウェー札幌戦に備え、8日は静岡市内で非公開練習に参加。フルメニューをこなすと、特別な一戦に臨む覚悟を口にした。「震災のことがあるし、今週の試合は特に注目されると思う。(被災地への)気持ちを持って戦いたい」。

11日は東日本大震災発生から8年を迎える。金子は栃木県出身だが、中学3年間はJFAアカデミー福島でプレー。練習拠点だったJヴィレッジ(福島県楢葉町、広野町)は海沿いで、福島第1原発も近かった。自身も中学校の卒業式後にサッカー部の寮で被災。感じた強い揺れは今でも鮮明に覚えており、被災した街の光景も忘れていない。

昨季は3月10日のアウェー札幌戦で1得点。「ゴールを決めて勇気づけたい」と意気込んだ一戦で、有言実行のプレーを見せた。今季はいまだ無得点。開幕から2試合でシュートも打てていないが、「攻撃のイメージはできている。前に出てゴールを狙っていきたい」と表情を引き締めた。今季初勝利を目指すチームにとっても重要な一戦。福島を思い、北の大地で全力を尽くす。【神谷亮磨】