J1清水サポーターの間でにわかに注目されている人物がいる。動画サイトYouTubeで試合観戦記などを投稿するユーチューバーの近藤久弥氏(26)だ。17年春に公式チャンネル「こんちゃんねる」を開設。グッズ開封動画や、左伴繁雄社長(63)への突撃インタビューなども公開し、話題となった。「こんちゃん」の愛称で活動する近藤氏が日刊スポーツのインタビューで動画投稿の経緯や、気になるプライベートなどを明かした。

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試合を観戦し、感じたことをユーチューブで発信する。静岡市出身の近藤氏が開設した「こんちゃんねる」はファンの間で話題沸騰中だ。「こんちゃん」の愛称で人気も上昇。スタジアムでは記念撮影の列ができるほど認知度も上がった。

近藤 単純にエスパルスが好きで始めました。初観戦は11歳。そこからずっとファンです。漠然と「テレビに出たい」という夢を追って19歳で上京しましたが、進展がなく…。ユーチューブは映像研究にもなるし、得意分野のエスパルスならそれが発揮できると思ったのがきっかけです。

手探りで始めた動画撮影。内容は試合の感想だけではない。グッズ紹介やグルメリポートなど。左伴社長を突撃したこともあった。

近藤 最初は「誰だこいつ」みたいな感じでした。ただ、2018年のグッズ福袋開封動画をアップしたら、再生回数が1万回を超えて、登録者も一気に増えました。去年の最終節長崎戦で社長を見かけた時は勇気を振り絞って突撃したら、社長も「見てるよ」と。本当に驚きました。

今ではチャンネル登録者数が1700人以上。今季配信した動画も再生回数1万回を超えている。

近藤 最初は200回ぐらいで…。ただ、個人的にやっているので、ユーチューブでの収入はゼロです。今は朝から夜までバイトしながら、週末はエスパルスを応援する日々です。

今季もリーグ戦は全試合観戦。13日ルヴァン杯磐田戦でチームもようやく今季初勝利を挙げた。

近藤氏 毎試合勝ってくれという思い。僕の中では「オレンジの血」が流れていると思っています。撮った映像がコミュニケーションのツールになってほしい。スタジアム観戦はしないという方にも動画を見て、足を運ぶきっかけになってくれたらうれしいです。

「テレビに出たい」。その夢を実現するために始めたユーチューブも今年で3年目を迎えた。軌道に乗り「もう後戻りできない感覚」だという。今の夢は清水が優勝した試合の動画を配信すること。歓喜の瞬間を信じて、こんちゃんはスタジアムに足を運び続ける。【取材・構成 神谷亮磨】

◆近藤久弥(こんどう・ひさや)1992年(平4)9月18日、静岡市生まれ。小学校6年までサッカーを続け、常葉大橘中ではラグビー部に所属。常葉大橘高卒業後に役者を志して上京した。舞台俳優などを経験し、ユーチューバーに転向。家族は両親、兄。180センチ、90キロ。血液型AB。