J2モンテディオ山形が0-0で栃木SCと引き分け、5位をキープした。序盤から守備を固める栃木に対し、ゴールを割ることができなかったが、FWジェフェルソン・バイアーノ(23)らが前線から激しいプレスを終始貫き、相手にも決定機を許さなかった。開幕戦で岐阜に敗れた後は5戦連続負けなしの安定感で、さらなる上位進出を狙う。

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遠くアウェー栃木まで駆けつけた約1200人のサポーターの声援を後押しに、山形イレブンは最後まで勝利を求め続けた。しかし終始守備を固める栃木ゴールをこじ開けることはできなかった。木山隆之監督(47)は「ペナルティーエリア付近で分厚く守られたのでゴールに至らなかった。こういう試合を勝てるようになるのも重要だが、0点に抑えてアウェーで最低でも勝ち点1をとったことは、次の試合につながる」と、前向きにとらえた。

ここ4試合で7ゴール1失点と5位に位置する山形に対し、相手が守備的になるのは必然だ。栃木は通常は4バックだが、守備重視の3バックにシステムを変更してきた。過去4試合途中出場だった182センチ、79キロの大型MFヘニキ(29)をボランチで先発させ、バイアーノを徹底マークさせるなど対策を施してきた。トップ下で打開策を探り続けたFW井出遥也(25)も「ここまで守りに入られたのは初めて。引かれた時にどうやって決められるかが今後の課題」と話した。そして「守備は決定機を与えなかった。それだけに攻撃は自分が中心になってやっていかなければいけない」と強い自覚を示した。

シュートは1本のみに終わったが、後半39分に交代するまで前線で体を張り続けたバイアーノは、「勝ち点を重ねることが大事」とアウェーでのドローを評価した。そしてホーム開幕戦のゴール時に披露し警告をもらったバズーカーポーズについては、「もちろん新しいのは考えているよ。サポーターのみなさんも楽しみにしていてほしい」と新パフォーマンスを約束した。次戦は中3日でアウェー京都戦の強行軍だが、木山監督は「移動が大変だがコンディションを整えて戦いたい」と気持ちを切り替えていた。【野上伸悟】