J1ベガルタ仙台のDF常田克人(21)が、古巣を抑え込みチームを今季初連勝に導く。

12日は14日のアウェー大分戦へ向け、非公開の最終調整を行い敵地に移動した。前節6日の鳥栖戦でセンターバックとして先発フル出場を果たし、今季初の完封勝利に貢献。17年8月から半年間の期限付き移籍で武者修行した古巣を封じて、無失点での勝利をつかみ取る。

昨年4月のホーム川崎F戦ではDF大岩一貴(29)の出場停止でプロ入り初先発。フル出場を果たし0封に貢献するなど、4月には強い。練習を終えた常田は「大分とやるのは楽しみ。好調な相手ですがそこを止めて連勝できるように全力でプレーしたい」と意気込んだ。

沖縄キャンプでこんなシーンがあった。練習試合の相手だった元日本代表FW高原直泰(39)のもとにあいさつに赴き周囲を驚かせた。大分時代に先輩から誘われた食事会で同席し、レジェントから貴重な経験談を伝え聞くなど刺激を受けたという。「試合に絡むことができなかったが、いろいろなものを吸収して帰ってくることができた。考えが甘かったが移籍して気づかされたところも多い。プレーうんぬんより、気持ちの部分です」と、ひとまわり大きくなった姿を見せつける。

渡辺晋監督(45)は「ふと緩む瞬間がトレーニングの中であって、ピンチにつながって失点するところがあったが、今日のトレーニングではピリッとしていましたよ。ひと皮向ける大きなチャンス。このチャンスを逃すまいと思ってくれていれば、うれしい限りです」と期待を寄せた。

この日、非公開練習が行われていた紫山サッカー場(仙台市)に謎の大分ナンバーのポルシェが走り抜け、警戒していた警備員に緊迫した空気が漂った。森林に囲まれた閑静な練習場が「大分の偵察部隊か」と一時騒然となった。