ジュビロ磐田が、前半戦最後の試合で最下位に転落した。昨季王者の川崎フロンターレに1-3で完敗し、2連敗。最近5戦は3敗2分けで、今季初めて最下位に落ちた。名波浩監督(46)は試合後に辞任を表明した。

磐田が、またしても決定力不足を露呈した。0-0の前半20分。ゴール中央でパスを受けたFWロドリゲス(24)のシュートが、GK正面を突いた。同28分にも、歓声がため息に変わる。ゴール前でMFアダイウトン(28)の落としをフリーで受けたMF山田大記(30)の左足シュートも、ゴールの枠を外れていった。

何度も決定機を作りながら、決めきれない。前節までの16試合でチームが奪ったゴールは、リーグワースト3位の11得点。攻撃に課題を抱えるチームの本拠地に“いつも通り”の光景が広がる。同29分には、クロスを頭で合わされ、ネットを揺らされた。

戦前、名波監督は「良い守備から良い攻撃ができるか」とポイントを挙げていたが、守備陣も耐えきれずにあっさり先制点を献上。リーグ連覇中の王者を相手に、追いかける展開を強いられた。

後半に入っても、状況は変わらなかった。同5分に追加点を決められ、万事休す。2点をはね返す力はなく、同45分には3点目を献上。同ロスタイムにMF上原力也(22)が1点を返すのがやっとだった。今季3度目の連敗を喫し、5戦勝ちなし(2分け3敗)に。順位は、ついに最下位まで転落した。

今季、ここまでの無得点試合は17試合を終えて7試合。1試合での得点数を見ても、2点が最大だ。得点力不足-。前半戦最後の一戦は、重くのしかかる課題を改善できないチームの現状を象徴するような敗戦となった。【前田和哉】