川崎フロンターレがFW小林悠、MF斎藤学、MF阿部浩之の3人そろっての2戦連発弾で大分トリニータを下した。川崎Fは15戦連続不敗となり、ホームの等々力では5月3日のベガルタ仙台戦以来、2カ月半ぶりの白星となった。

川崎Fは、前節の首位FC東京戦で、果敢な相手へのプレスを含め守でアグレッシブなサッカーを展開し快勝した。大分戦でも再現を狙ったが、大分は川崎Fのプレスを入念な対策で回避。サイド攻撃を許し、主導権を取れず苦しい時間が続いていた。

MF中村憲剛(38)は「東京戦の僕らを見て(相手は)前からくると思ったでしょうし。僕らも行こうよ、という気概はあった。その気概が見事にすかされた20分」。MF斎藤学も「大分のプレスの対策をみんなで考えてやったんですよ。引かないで前から行こうと。結果、大分がうまかった。それでもいつ、プレスをやめるかと言っていた」。 苦境を変えたのは、前半25分に酷暑で設定された「給水タイム」だった。この時間を利用し、選手間でプレスを話し合い「(前からのプレスを)やめるか…。」「行くタイミングを変えよう」と作戦を変更した。ブロックを組むときは組み、相手のサイド攻撃を封じる布陣に修正したことで、守備が安定し、後半の得点につながった。斎藤は「その後は、ほぼやられなくなった。給水タイムまでに守備陣が頑張ってくれた。あそこで耐えられなかったら今日の勝利はなかった。25分まで、守備が踏ん張ったことが勝因だと思います」。中村も「1失点しましたが、前にプレスに行くタイミングを90分の中で修正して結果を出せたのは大きい」と手ごたえを口にした。【岩田千代巳】