サガン鳥栖U-18が横浜F・マリノスユースに2-1で逆転勝ちし、初優勝に王手をかけた。

前半35分に先制を許して折り返した後半2分に右CKの混戦からFW相良竜之介(2年)が決めて同点。一進一退の攻防を経て迎えた23分にFW秀島悠太(3年)が左サイドから中央に切り込み、強烈なシュートをゴール左上に突き刺した。

後半途中出場から得意の右足で殊勲のゴールを挙げた秀島は「点を決めることが仕事だと思っていたので頑張りました。フリーになったら足を振り抜くだけでした」と笑顔をみせた。

準決勝進出も初めてだったチームが決勝へと駒を進めた。今年戦うプリンスリーグ九州でも10試合を終えて2位に勝ち点差11をつけて首位を独走中。田中智宗監督(40)は、強さの裏にクラブの下部組織強化に対する意識の高さがあると明かし「海外遠征などにも行かせてもらえて、アカデミーからトップチームへ選手を送り出そうとクラブが一つになってやってもらっているのはありがたい」と感謝を口にした。

事実として今年6月には昨年に続くオランダ遠征を実施し、アヤックスの下部組織などと試合を行って経験を積んだ。このほかにも米国や韓国へも遠征に向かっており、今年8月のスペイン遠征ではR・マドリードやバルセロナの下部組織と対戦する大会に出場予定だ。

すでにトップチームではMF松岡大起(3年)が主力として活躍するなど、クラブをあげての強化が実を結び、大会初タイトルまであと1勝。この日、何度も好セーブをみせて追いすがる横浜の攻撃をシャットアウトしたU-18日本代表GK板橋洋青(3年)は「優勝したら後輩たちの刺激にもなると思う。松岡もトップでやっているし、自分も負けないようにしたい。決勝は無失点でいきます」と力を込めた。

同じく初優勝を狙う名古屋グランパスU-18と対戦する決勝戦は、31日午後6時から味の素フィールド西が丘で行われる。【松尾幸之介】