新潟は、山形に0-2で敗れた。狙っていた今季3度目の連勝はならなかった。FWレオナルド(22)不在の中、5試合ぶりの敗戦を喫した。

前半43分、フリーになった山形FWジェフェルソン・バイアーノ(24)に先制され、さらに、後半20分には、左からのクロスをFW大槻周平(30)にヘッドで決められた。0封負けも7月13日横浜FC戦以来、5試合ぶりとなった。

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“サプライズ”の布陣となった。先発のピッチに、新潟の得点王、12得点のFWレオナルド(22)がいない。登録メンバー18人の中にも名前がない。「体調不良」の点取り屋の代わりに先発したのはベテランFW矢野貴章(35)だった。

前半43分に最初の失点。後半16分には、MFシルビーニョ(29)と、MF本間至恩(19)の攻撃的な選手を2枚同時に投入したが、同20分に追加点を許す。終盤は、分厚い攻撃でゴールに迫るも、最後までゴールネットは揺れなかった。

山形戦に備え、新潟は異例の3日連続非公開練習を断行。「見られて困ることはしていない」と、吉永一明監督(51)は話したが、具体的な練習内容をベールに包んだ。3日間で行ったのは紅白戦、映像分析に基づく攻守の確認、セットプレーなど。集中した環境で準備を整えた。

ファンの子どもたちが練習見学に訪れるのに絶好の夏休み期間ながら、ファンの目も遠ざけた。山形戦の勝利をひたすら目指すことを最優先した。前節4日の徳島戦は4-0で圧勝したからこそ、気を緩めなかった。MF高木善朗(26)は「大勝の後とは思えない、引き締まった練習、雰囲気だった」と言う。しかし、そんな練習も勝利には結びつかなかった。

前節終了時点で、チームの総得点44点はリーグ最多。しかし、本来の爆発力は不発。12得点のFWレオナルドの不在が響いた。「攻撃の個人スキルの飛躍的な向上はない。それなら、多くのチャンスを作に出す」という吉永監督の考えをもとに普段の練習から攻撃パターンを増やしてきた。しかし、堅い守りの山形を最後まで崩せなかった。【涌井幹雄】