クラブ史上最高の2位以上を確定させても、FC東京の選手たちの表情は悔しさにまみれた。

浦和レッズ戦で痛いドロー。序盤から得意のハイプレスで押しまくったが、チャンスを決められない。逆に前半39分に先制を許した。反撃を図りたいところで、相手選手と接触して右膝を痛めたFWディエゴ・オリベイラが途中交代。後半13分には日本代表FW永井までもが右肩を脱臼し交代と、攻撃の2枚看板が不運に見舞われた。

後半24分に途中出場のFW田川が今季初ゴールとなる同点弾を決めてこの日のV逸は避けたが、優勝には最終節で横浜に最低4点差以上が必要になった。長谷川監督は「もうだいぶ体の半分以上は俵を割っているかもしれない。最後の最後、ふんばりたい」と言葉に力を込めて話した。

横浜F・マリノスとの対戦で、4点差以上の勝利は05年7月のホーム戦のみ。今季46得点と決して得点力が高いとはいえない状況で、半数の23得点を記録している2トップが負傷をかかえて出場が危ぶまれている。加えて日本代表DF室屋も累積警告で最終節に出場できなくなった。指揮官は「1%、もっと少ないかもしれないが、すべてを尽くしたい」と話した。

リーグ史上初のアウェー8連戦を首位で戦い抜いて帰還も、前節からのホーム2試合でまさかの未勝利。崖っぷちとなった中、日本代表MF橋本は「優勝の可能性がある限りそこだけに集中したい」と視線を上げた。奇跡に近くなった悲願は、満身創痍(そうい)で迎える最終節にかかっている。【岡崎悠利】

◆横浜対東京 過去のJ1リーグ戦の通算対戦成績は東京が17勝8分け12敗と勝ち越している。昨季からは東京が5-2、1-0、4-2と3連勝中。東京が逆転優勝するためには4点差以上の勝利が必要だが、過去の37試合で東京の4点差勝ちは1度。05年7月17日にホームの味スタで4-0で勝っている。