来季J1に昇格する横浜FCのFWカズ(三浦知良、52)が3日、新しく完成した「サッカーの聖地」への思いを明かした。

下平隆宏監督らと横浜市の林文子市長を表敬訪問し、13年ぶりのJ1昇格を報告。完成した国立競技場について「再びサッカーの聖地にしたい」と話し、自らもピッチに立つことを誓った。

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◆カズと国立 カズは国立競技場で最も多くのゴールを決めている選手だ。J1リーグ戦で32試合に出場し最多20得点。1試合平均得点は0・63点にのぼる。2位はカズとともに93、94年にV川崎(現東京V)のリーグ連覇に貢献した元ブラジル代表MFビスマルクで、53試合14得点(1試合平均0・26点)。

92年の第1回ナビスコ杯(現ルヴァン杯)の決勝清水戦では1-0の決勝ゴールを挙げて優勝。93年のJリーグ初代王者を決めた鹿島とのチャンピオンシップでも2戦2発で優勝に大きく貢献した。

また、日本代表の国際Aマッチでもゴールを量産し、22試合で歴代最多29得点。97年6月22日のマカオ戦では1試合個人最多タイとなる6ゴールを記録するなど、2位のFW釜本邦茂の16得点(13試合)を大きく上回っている。

◆国立競技場 20年東京五輪・パラリンピックのメイン会場として11月30日に完成。建築家の隈研吾氏らが設計し「杜(もり)のスタジアム」というコンセプトを基に、自然との調和を意識したデザインとなっている。特徴的なひさしは、全国47都道府県の木材が集められている。整備費は1569億円。最初の競技使用は来年元日のサッカー天皇杯決勝で、1月11日のラグビー大学選手権決勝も行われる。

<各国の主な「聖地」>

◆ウェンブリー・スタジアム 英国ロンドン・ウェンブリーにあり、収容9万人。主にイングランド代表戦とFA杯、イングランド・リーグ杯で使用される。12年ロンドン五輪でも使用され、「サッカーの聖地」と称される。

◆マラカナン ブラジル・リオデジャネイロにある世界最大級のサッカー専用スタジアム。収容は約8万人。50年に開場し、かつては立ち見を含め約20万人を収容したが、スタンド落下事故を機に縮小。ブラジルが金メダルを獲得した16年リオ五輪サッカーの決勝の会場。

◆スタディオ・オリンピコ イタリア・ローマにあり、収容人数は約7万人。60年ローマ五輪のメイン会場として建設された。サッカーではセリエAのローマ、ラツィオの本拠地。