J1ベガルタ仙台の守備の要で、センターバックとして大車輪の働きをしたDFシマオ・マテ(31)が残留することが9日、分かった。

この日までに条件面で大筋合意に達した。加入1年目の今季は、リーグ戦24試合に出場した。チームが低迷していた序盤はボランチで起用され出番は限られたが、第14節の名古屋戦からはDF平岡康裕(33)とのコンビで最終ラインに定着。不安定だった守備の立て直しに貢献した。名古屋戦以降でマテが先発した試合は3失点以上が1度もなく、チームに劇的な変化をもたらし、J1残留に貢献した。

元モザンビーク代表で、強靱(きょうじん)なフィジカルと的確な読みでキーマンをつぶす「エースキラー」。普段は優しい笑顔を見せるが、ピッチに入ると競り合い、球際で相手に脅威を与えた。さらにCKから頭で3ゴールとセットプレーでの貢献度も高い。今夏にベルギー移籍したGKシュミット・ダニエル(27)に代わり、シーズン途中に副主将に就任。第26節の札幌戦からはキャプテンマークを巻き、最終ラインから味方を鼓舞した。

8日に行われたJリーグアウォーズでは、ベストイレブンこそ逃したが、33人が選出された優秀選手賞をチーム7年ぶりに受賞。リーグ戦で4連勝した6月には月間MVPにも選ばれた。いじられキャラのマテは、チームメートから“しまお”と日本名のように呼ばれ、サポーター人気も高い。モザンビークの現地語で「ありがとう」を意味する「カニマンボ」グッズが発売されるなど誰からも愛される存在だ。仙台が誇る「番人」が来季も守備陣を統率する。