来季からベガルタ仙台を指揮する木山隆之新監督(47)の就任会見が21日、仙台市内で行われた。

同監督は今季までJ2山形を3年率いるなど4クラブでタクトを振ってきたが、J1では初采配となる。仙台は10年連続残留を果たしている一方、13年から7年連続2桁順位と苦戦。「来季は順位を上げること、1桁に入ることを目標に戦っていきたい」と9位以内に照準を合わせる。仙台を6季率いた渡辺晋前監督(46)の退任から12日。20年シーズンに向けて時計の針が動きだした。

   ◇   ◇   ◇

在仙メディアの大きな注目を集める中、新指揮官があいさつのマイクを握った。そして力強く、抱負を語った。

木山新監督 新しいチャレンジに向けて自分自身に期待しているし、クラブからも期待され、大きな責任を感じています。これまでベガルタの基礎を築いてきた先人の思いやつくってきたものを大事にしながら、ベガルタの未来をつくるために自分自身の力、頑張りをすべてクラブにぶつけていきたいです。

36歳の青年監督として08年にJ2水戸でJクラブの指揮官デビュー。その後、千葉、愛媛、山形で監督を歴任し、J1初挑戦の地に仙台を選んだ。引き受けた理由は「J2で何クラブも率いてきて、いろいろな経験をしてきましたが、J1(チーム)を率いたいという思いを常々持ちながら監督業をやってきました。ベガルタから就任の要請を受けて、チャレンジすべき舞台だと決心しました」と言葉に力を込めた。

山形では3バックを基本布陣にした堅守で結果を残してきたが、仙台では今季途中から採用している4バックを継続する方針だ。「現状よりも1歩でも2歩でも先に進むために選手を鍛え、まとめ、J1でしっかり戦えるチームをつくりたいです」。山形時代からシーズン中に2部練習を行うなど練習量は豊富。来年1月から始まるキャンプで量をこなして、スタートダッシュを狙う。

仙台の今季練習は非公開がほとんどだったが、一転する。「試合の2日前はセットプレーを含めて、できるだけ遠慮したいですけど、それ以外はたくさんの人たちに練習を見てもらいたいです」と“木山カラー”を早速打ち出した。菊池秀逸社長(67)は「熱さや親しさを感じ、若手とベテランを融合した躍動感あるチームづくりをしたい」と就任理由を説明。8年ぶりの1桁順位へ“木山ベガルタ”が船出した。【山田愛斗】