3シーズンぶりの天皇杯制覇を目指した鹿島アントラーズだったが、ヴィッセル神戸に完敗して準優勝に終わった。

前半はミスが多く、支配率でも神戸に圧倒された。見せ場はFKのこぼれ球を拾ったMFセルジーニョのシュートくらいで、完全なワンサイドゲームだった。

後半開始からはMF白崎に代えて負傷明けのMF土居を投入。同8分にはMF名古に代えてDF山本と、この試合をもって退任が決まっている大岩監督は、早めにカードを切った。次第にボールが回り始め、チャンスは生み出したものの、最後まで1点が遠かった。

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公式戦計55試合、始動から数えて約11カ月半という、長い1年が終わった。クラブW杯に出場した昨季は、1年で60試合を戦った。連戦かつ十分なシーズンオフが取れていないことの代償は、至るところに表れていた。

秋以降は主力にけが人が続出。ポジションによっては、本職ではない選手を起用する日々が続いた。この日先発したMFセルジーニョも数日前までは別メニュー調整しており、出場が危ぶまれていた。決勝戦前には、体調を崩して練習を欠席する選手も現れ、紅白戦にスタッフが参加する状況だった。

天皇杯を逃した結果、来季はACLプレーオフからの出場に決まった。初戦は4週間後の1月28日。シーズンを通して、今季以上の厳しいスケジュールが予想される。ハードスケジュールの中で、何を目指してどう戦うのか。どんな編成をするのか。「4冠」を掲げた今季は、終わってみれば無冠だった。チームが強ければ強いほど日程が厳しくなることが避けられないのであれば、自分たちがそれに適応していくしかない。