今治東中教校(愛媛)の谷謙吾監督(52)は、敗戦にも選手たちの成長ぶりを喜んだ。開始早々の前半4分に先制点を献上したが、前半に決定的な場面をつくるなど慌てずにプレー。後半は押し込まれる場面も目立ったが、強豪・静岡学園に真っ向勝負を挑み続けた。谷監督は「この1年を通して彼らが成長したなというのを見ながら『普通にやれるじゃないか、静学に』と思っていました。自信を持って、胸を張って帰ってくれれば」と、ねぎらった。

谷監督は清水東高(静岡)出身。「愛媛と静岡で顔を合わす機会は少ない。静岡代表と自分のチームが戦うのが1つの夢だった」。前日2日の初戦は一体となって強化する「今治モデル」を提唱するFC今治の岡田武史オーナー(63)が観戦する中、初出場初勝利を飾った。全国2勝目は来年度以降にお預けとなったが、「愛媛の子にとっても頑張ってきたかいがあったと思う。勝ち切るには技術とかを積み上げていかないといけない。成長の通過点になるようなゲームだった。求めてきたものを表現してくれてうれしい。楽しかったですね」と悔しさの中にも充実感をにじませた。