世界から脚光を浴びる17歳の西川が、プロとしてのキャリアをスタートする。

まずは今季初戦となる16日のルヴァン杯松本山雅FC戦。そこでのメンバー入りを狙う。

「憧れはガレス・ベール選手(レアル・マドリード)です。左利きでドリブルとシュート、どちらもできるというのは武器だと思うし、映像を参考にしています。自分の良さは左足でチャンスを作ったり、ゴールに直結するプレーをすること。まずはセレッソで活躍することを意識しています」

昨年5月に飛び級で出場したU-20(20歳以下)W杯、同10月のU-17W杯の活躍で注目され、バルセロナから2度のオファーを受けた。スペインでは現在もバルセロナが獲得調査を進めていると報じられており、18歳の誕生日を迎える今月21日に三たびオファーが届くことも考えられる。C大阪とは3年契約。移籍なら違約金が発生するが、海外への憧れはある。

「将来的には海外でやりたいです。より高いレベルでより成長できる環境だから。これから先(試合に)出られるかどうか、活躍してからだと思うので、具体的には決めていないですけれど、なるべく早く(海外に)行きたい。昨年1月にドイツのレバークーゼンに練習参加して、レベルが高いですし2週間くらいで成長できた部分もあった。(スペインとともに)ドイツにも魅力を感じています」

C大阪で活躍した先には、輝かしい未来が待っている。今季主将を務める清武に加え、香川、乾、南野らも欧州へ羽ばたいた。同じ道を歩むため、既に語学の習得に励んでいる。

「オンラインで(英語を)習っています。難しいですね。(レベルは)まだペーペーです。下の下くらいで、全然しゃべれない。筆記とは違うので、別物ですね。でも、やるしかない」

ピッチでは新人とは思えない輝きを放つ。一方で、ピッチ外でも意識は高い。

「ストレッチは絶対やりますね。足の指をほぐすと、次の日は調子が良かったりするので、高校の時から毎日、寝る前にやっています。足の指の感覚がいいと、タッチも良くなる」

同じ神奈川・川崎市生まれで幼少時代からライバルだった同世代のマジョルカFW久保建英(18)は、既にA代表入りを果たしており刺激を受ける存在だ。16日松本戦の翌週には、J1リーグ開幕となる大分戦(22日、ヤンマー)を迎える。元日本代表の清武、柿谷ら攻撃陣は層が厚いが、1年目から主力に定着すれば、東京五輪も見えてくる。

「A代表に入りたい気持ちもあります。まずは今、置かれている環境で結果を出さないと、そういう場所にはたどり着けない。右サイドに置かれることが多いので、カットインからの仕掛けを生かしたいです」

セレッソ経由で世界へ。黄金ルーキーが、その扉を開く。【南谷竜則】

◆西川潤(にしかわ・じゅん)2002年(平14)2月21日、神奈川県・川崎市生まれ。横浜F・マリノスジュニアユースから桐光学園を経て、今季からC大阪入り。18年U-16アジア選手権決勝タジキスタン戦で決勝点を挙げて日本の優勝に貢献、大会MVPにも輝いた。昨季は特別指定としてC大阪で公式戦デビューし、U-17W杯では4試合2得点2アシストと大活躍した。180センチ、70キロ。