木山隆之監督(48)率いるベガルタ仙台は22日、ユアテックスタジアムで名古屋グランパスと開幕戦を迎える。今季初の公式戦だった16日のルヴァン杯・浦和レッズ戦は5失点で大敗も、しっかりリセットしてリーグ戦に臨む。

名古屋とは昨季、公式戦4試合で3勝1敗と相性のいい相手。さらに、J1過去12年で仙台の開幕戦成績は、8勝1敗3分けと抜群の成績を挙げている。そして、FW赤崎秀平(28)にとっては、昨季まで所属していた古巣との一戦になる。新エース候補が、恩返し弾でチームをスタートダッシュへと導く。

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プロ初ゴールを決めた思い出のユアスタで、再出発する。赤崎は鹿島アントラーズ時代の14年、ナビスコ杯(現ルヴァン杯)仙台戦でJリーガーとして初めてネットを揺らした。ガンバ大阪、川崎フロンターレ、名古屋を経て、当時から6年。今季は仙台のユニホームを身にまとい、古巣に牙をむく。「対戦相手は去年まで所属していたグランパスですし、楽しみな気持ちしかない」と声を弾ませる。

昨季の赤崎はリーグ戦21試合で5得点、ルヴァン杯7試合で4得点だった。途中出場がほとんどで、今季に懸ける思いは強い。「(名古屋は)去年から残っているメンバーも多いし、いいメンバーとサッカーができていた。監督が代わってからは勝てない時間が長かったが、全員で一致団結していい集団になっていたので、油断せずホームで勝てるようにしたい」と気を引き締める。

1月の沖縄キャンプから好調を維持し、FW長沢、ゲデス、MFクエンカら負傷者相次ぐ攻撃陣をけん引している。形にこだわらず、質の高い動きだしからゴールに迫るシュート技術が持ち味。「対外試合含めていろんな形からゴールが取れてましたし、どんな選手ともホットラインをつくれればいいなと思います」と意気込む。

ユアスタは、チームにとってもパワースポットだ。昨季のリーグ戦は9勝4分け4敗。FC東京、横浜F・マリノス、鹿島の強豪に次ぐホーム好成績を収めている。「僕も今までは敵としてでしたけど、素晴らしいベガルタサポーターの声援を聞いてきました。それが自分の背中を押してくれるだけでワクワクしますし、サポーターのみなさんに勝利を届けられるように、全力を尽くしたいです」。大声援を力に変えて、背番号「11」が名刺代わりのゴールを奪う。【山田愛斗】

○…加入2年目のDFシマオ・マテは、主将として今季に挑む。昨季序盤は定位置をつかめなかったが、6月の名古屋戦からセンターバックに定着。守備の強化に貢献し、リーグ優秀選手賞にも選ばれた。マテは「いい雰囲気だし、開幕戦に向けてチームがワクワクしている」。ルヴァン杯では守備の要として5失点の屈辱を味わったが、「浦和戦は過去の試合。切り替えて、忘れて、修正しないといけない点はあるが、ポジティブに次の試合はもっといいプレーができるように集中したい」と力を込める。