韓国・昌寧WFCから加入したMFキム・ジウン(27)は、攻撃参加が得意なサイドアタッカーだ。U-20韓国代表の経験者であり、左、右両方のハーフをこなす器用さを備える。目指す韓国代表入りのため、1年目からパワー全開でシーズンに臨む。

キム・ジウンは、相手守備陣の脅威になり続ける。持ち味は、1対1の局面で仕掛けるドリブル突破。ボールを持たない「オフザボール」の状況では、DFラインの背後に飛び出し、失点の恐怖を相手に植えつける。「ディフェンスの選手が一番イヤがるプレーを、年間を通して出していきたい」。相手にとって厄介なサイドアタッカーは、味方にとっては頼もしい存在になりそうだ。

プレーに必要な日本語は真っ先に覚えた。「右、左、蹴ろ、寄せろ」など連係に関わる言葉を聞き分け、チームメートに指示しながら毎日の練習に取り組んでいる。「ボランチ、サイドバックのコーチングが分からないと、守備の連動ができない」。昨季は、チェコ1部リーグのスロヴォコに3~7月まで約半年間所属。その経験からコミュニケーションの重要性を誰よりもわかっている。

U-20韓国代表を経験した27歳は向上心にあふれ、新加入の新潟Lでさらなる成長をもくろむ。「新潟Lはボールを大事に扱いながら、ポゼッションしてサッカーをする。韓国リーグのチームには少ない。だから、自分の足りなかった部分を、ここで伸ばせる」。プレーの幅を広げながら、なでしこリーグで活躍し、目標の韓国代表入りに向かって、新潟の地からアピールを続ける。【涌井幹雄】

◆キム・ジウン(金智恩)1992年(平4)11月16日生まれ。烏山情報高(韓国)-江原道立大(同)12年、U-20女子ワールドカップ(W杯)韓国代表。韓国・昌寧WFC所属の昨季は、WKリーグ22試合、7得点。利き足は右。165センチ、62キロ。血液型A。