新型コロナウイルスとの闘いは終わりが見えない。サッカー、Jリーグの「日常」はいつ戻るのか。元チェアマンで、セレッソ大阪の初代社長を務めた鬼武健二氏(80)に電話取材で現状について聞いた。

-現状をどう見るか

鬼武氏 難しい問題だね。現状がどうなっているのか離れていると分かりにくいが、先が見えないのが一番だね。コロナがいつ終わるのか。目に見えない相手と同じ土俵で戦うことになるからね。

-チェアマンの立場で考えることも

鬼武氏 あるね。まず選手がどうか、そしてファンがどうなのか考えてしまう。目標がないから難しいでしょう。これはつらいよね。時間はかかるだろうが、まず(事態が)収まらないことには始まらない。うかつには言えないですよ。

-無観客は厳しいか

鬼武氏 試合をしないとお金が回らない。(無観客では)お金が出ていく一方でしょう。アウェーチームの遠征費はどうするのか。観客数を半減にして、観客の距離を空けるプランもあるようだが、それも運営的にはかなり難しい。難儀だよな。どこで、どういう判断をするのか、本当に難しい問題だと思う。

-現状打破のエールは

鬼武氏 いいアイデアはないぞ。コロナが早く弱って消えてくれることを願うしかない。サッカーに限らず、野球もバスケも何もない。今日は土曜なのか、日曜なのか、そんなことも混乱するようになってきている。スポーツはやはり、日々の活力。本当に寂しいよ。早く戻ることを願うしかできない。

◆鬼武健二(おにたけ・けんじ)1939年(昭14)9月19日、広島市生まれ。早大から62年にヤンマーへ。67年に28歳で監督に就任し黄金期を築く。93年に大阪サッカークラブ(C大阪の運営会社)の初代社長に就任。06年から4年、Jリーグチェアマンを務める。