J2アルビレックス新潟は29日、聖籠町のクラブハウス隣接ピッチで約1時間半、練習した。

長短のパスで攻撃にリズムを作り出す、MF秋山裕紀(19)は新型コロナウイルスの影響で2月下旬から中断しているリーグ戦再開を新たな“開幕戦”と位置づけて準備を進める。この日、JリーグはJ2の再開を6月27日と決めた。再開後予想される過密日程を、チームの中心となって乗り切る覚悟を決めた。

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秋山が実戦モードに気持ちを切り替えた。この日は攻撃面での戦術練習がメイン。11日の練習再開後は、試合で戦えるフィジカルを取り戻すことが主だっただけに「やっと試合に向けた練習が始まったという感じ。コンディション的には90分戦える状態。再開戦まで1カ月弱あるので、戦術理解を全員で深めていきたい」と話した。

ボランチの位置からチームの攻撃を操る秋山は持ち味であるパスに数センチ単位で精度にこだわる。開幕の2月23日群馬戦以降、真剣勝負の場から長く離れる。「スピード感がある中で空いているスペースを見つけ、そこを狙ってパスを出す作業は紅白戦もおこなえていないので何とも言えない」と多少の不安も感じている。それでも「キックの感覚自体は悪くない。試合勘を取り戻すためには時間が必要なので、毎回の練習に全力で臨む」。

秋山はステイホーム期間中に独学で英語の勉強を始めた。過去(19年3月)に日本高校選抜としてヨーロッパ遠征を経験。将来的に海外でのプレーも視野に入れている。「今は単語を覚えている段階。英語は世界共通語なので、今から勉強して損はない」と新たな取り組みを明かした。

今後の日程が明確になったことで自然と気持ちも高まっていく。秋山は「再開戦後は夏場の試合が続く。そこが勝負だと思う。苦しい期間を乗り越えられるよう、チームとしても個人としてもこの期間を大切にする」と全力での準備を誓った。【小林忠】

◆秋山裕紀(あきやま・ひろき)2000年(平12)12月9日生まれ、群馬県出身。前橋育英(群馬)から19年に新潟に入団し、37節アウェー福岡戦でデビュー。38節ホーム京都戦でプロ初先発。今季の開幕、群馬戦(2月23日)は先発フル出場し、3-0の勝利に貢献した。175センチ、67キロ。背番号は6。