新潟明訓OBで中大からJ2ヴァンフォーレ甲府に加入したMF中村亮太朗(22)が、27日に行われる新潟とのリーグ再開初戦のスタメン出場へ向け着々と準備を進めている。正確なキックと高い技術が武器の技巧派ボランチが、4年ぶりのJ1昇格を目指す甲府の主力になることを宣言。生まれ育った地元・新潟を甲府ホームの山梨中銀スタジアムで迎え撃つ。

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中村はスタメン出場へ向け、ギアを上げている。

試合再開まで2週間を切った今、チーム内のポジション争いが激化。中村は精度の高いパスと空中戦の強さが売りだが、ゴール前に貪欲に飛び出すことを新たなテーマに掲げた。「ボールを扱う技術は通用しているので手応えを感じている。どんな練習でも得点がアピールにつながる。もっとコンビネーションを高め、チームを勝たせる選手を目指す」とゴール奪取にも意欲を示す。

開幕・町田戦(2月23日)ではベンチ入りはしたものの出場できず悔しさが残った。「もっと相手に脅威を与える選手になるにはどうすればいいか」。リーグ中断中は、練習試合や海外サッカーの動画を見て研究し、この課題と向き合った。結果、「自分は周りの選手を生かしてこそ生かされる」ことを再認識。「ボールをさばくだけでなく、声でもコントロールしたい。将来は日本を代表する選手になりたい。まずは今季10ゴール以上のプレーに関わる」と高い目標を設定し、再スタートを切る。

新潟明訓では1年春から背番号「10」を背負い活躍、中大でも主力としてプレーした。大学2年の夏ごろから複数のJクラブへの練習参加を重ね、大学4年の5月に甲府加入が発表された。中村は高校時代を「サッカー以外にも人間的に成長できた。あのころの経験が現在に生きている。感謝しかない」と振り返り、「ここがゴールじゃない。お世話になった人や地元新潟へ恩返しをするためにも、ここからさらに上を目指す」と今後の活躍を誓った。

中村は新潟戦(27日)へ向け、大学選抜でチームメートだった新潟FW矢村健(23)を警戒している。矢村とは帰省した際に頻繁に食事をするほどの仲だが「試合は別。必ず抑える」と言い切る。新潟は幼いころから憧れていたチームで自然と気持ちも高まる。「新潟はとてもアグレッシブ。厳しい戦いになると思うが負けられない相手」。ルーキー中村が再開戦勝利とプロ初出場へ向け、着々と準備を進めている。【小林忠】

◆中村亮太朗(なかむら・りょうたろう)1997年(平9)9月27日生まれ。ブルーウィング新潟南-豊照SS-グランセナ新潟FC.JY-新潟明訓高-中央大。明訓高では1年春から背番号「10」を背負いプレー。1、3年で全国高校総体出場。3年冬の全国高校選手権2回戦では、優勝した東福岡高を相手に、大会唯一の失点となるヘディングシュートを決めた。中央大では18年に関東大学2部で優勝、19年は関東大学1部でプレー。身長179センチ、70キロ。背番号15。