なでしこリーグ1部、ジェフ千葉レディースのGK船田麻友(29)らが7月上旬に九州地方などを襲った豪雨被害にあった地域を支援する団体「チームGolazo(ゴラッソ)」を立ち上げたことを発表した。

同団体は熊本県人吉市に住む自身の祖父母宅も被害を受けた船田が中心となり、呼びかけに賛同したサッカー選手らでつくられたもの。熊本県玉名市出身で、日本人女子選手で初めてブラジル1部リーグのプロ契約を結んだMF藤尾きらら(21)のほか、東北社会人リーグのコバルトーレ女川でプレーするDF橋本光晟(25)など男子選手も参加している。

祖父母宅の1階部分が浸水被害を受けたという船田は「東日本大震災や台風15号などの時もアスリートとしてできることを外側からやってきましたが、今回は内側から自分が中心となって動いてみようと思い、ゴラッソを立ち上げました。サッカーを通して、被災された方々へのゴールに向けて、アシストをしたいと思います」と話した。

「ゴラッソ」とはスペイン語で「素晴らしいゴール」を意味する。団体では被害にあったジュニアアスリートの支援も行い、支援金を募って現地の子どもたちへサッカーボールをプレゼントするほか、オンライン交流、サッカークリニックなども実施予定だという。藤尾は「私もブラジルで困った時には現地の方に助けていただき、たくさんの愛をもらいました。皆様から支えられ、感じて学んだことを被災された方々や地域へアスリートという立場から支援させていただければと思います」と意気込んだ。

宮城県出身で東日本大震災での経験から参加を決めた橋本は「当時は高校生で、この先サッカーが本当にできるのかという不安が頭の中にありました。そんな中、たくさんの方々からの言葉や支援を頂いたことを覚えています。今、私個人ができることは大きくはありませんが、明るい未来のために1歩を踏み出す原動力になれたらと思っています」と力を込めた。

同団体は7月22日に設立を発表しており、今後の活動は団体のツイッターアカウントなどで報告していくという。