ヴィッセル神戸の売り出し中、MF安井拓也(21)が1日、2日のルヴァン杯準々決勝川崎フロンターレ戦(ノエスタ)へ向けて意気込みを語った。

神戸ユースから昇格4年目。年々、試合出場数を増やしており、今季のJ1リーグ戦はここまで8試合に出場(無得点)している。MFイニエスタが欠場しているJ1では、現在3試合連続で先発出場中だ。

ポスト・イニエスタではないが、イニエスタ不在の穴を安井が埋めてきたのは間違いない。川崎F戦はイニエスタが復帰する可能性があるが、安井は「いつも通りの強気なプレーでチャレンジして勝利に貢献したい。ビルドアップでは落ち着いて蹴っているし、相手のことも見られている」。攻撃の組み立ての部分では、平常心でプレーしている現状を説明した。

J1では1年目は1試合、2年目は4試合、3年目の昨年は11試合出場。今季は自身の最多出場数を更新するのは間違いなく、イニエスタや山口、サンペールといった代表級のタレントをそろえた神戸の中盤で、成長を続けられること自体がすごい。

現在は2列目の攻撃的な位置でのプレーが中心。得点に絡むことが求められており、イニエスタが右足首を痛めて前半途中で交代した8月19日の柏レイソル戦では、代役で緊急投入された安井がFWドウグラスの得点をアシストした。同23日浦和レッズ戦の山口の決勝点も、安井の左CKが起点になった。

「課題はアタッキングサードでのプレーの質。(自分のシュートが)1本入れば変わると思う。力まないようにプレーしたい」。天皇杯での得点は既に記録しているが、J1では通算24試合に出場しており、そろそろ待望の第1号ゴールが欲しいのが本音。今回のルヴァン杯でも同じ気持ちだ。

優勝した昨季の天皇杯決勝の鹿島アントラーズ戦は最後の2分間に出場して、日本一の歓喜を味わえたことも大きな経験になった。

「天皇杯で優勝して気持ちよかった。個人的には、あまり試合に出られなくて悔しい思いをしたが、優勝の景色はよかった。ルヴァン杯は、結果として最後までいけたらいいと思う」

兵庫・稲美町出身で、中学から神戸の下部組織で育ってきた。高校卒業と同時に早大人間科学部eスクールにも合格し、サッカーと学業の両立を目指してきた。イニエスタから刺激を受けて成長する和製司令塔に注目だ。【横田和幸】