C大阪がFW奧埜博亮(31)のメモリアル弾連発で4連勝を飾った。前半6分の先制ゴールがクラブのJ1通算1000得点。さらに後半14分、頭で勝利を決定づける1001得点目を奪った。チームは2位を死守。勝ち点は8差のまま-まだ遠い首位川崎Fの背中を連勝で追いかけていく。

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メモリアル弾の栄誉は、本職ボランチの男がゲットした。前半6分、縦パスに反応してゴール前に詰めた奧埜が、冷静に右足で先制ゴールをたたき込んだ。クラブのJ1通算1000得点。「都倉さんの案で」というパフォーマンスは4人で1000を作るはずが「1」の奧埜が右端で、0001となるオチもついた。

とはいえ、大きな勝利をもたらす劇弾だった。ロティーナ監督も「とても重要なゴール。クラブの歴史に残る、意義あるゴールになった」と絶賛した。その指揮官が「自分たちのプレーモデルではFWだ」と見いだしたストライカーとしての才。奧埜も「サッカーは点を取ることがうれしい」と受け入れる。

後半14分にも勝利を決定づける1001点目を頭で決めた。昨季、移籍加入するまで在籍した仙台では主にボランチだった。「小学校からサッカーを始めて大学まではFWでプレーした。ただ、プロではボランチで自分の良さを出せると思っていた」。プロサッカー選手として、生き残るために選んだのがボランチだったが、ロティーナ監督はその裏に潜む才能を発掘した。「チームの歴史に名を残せてうれしい」と言った。

8月14日に31歳の誕生日を迎えた。FWで活躍しても「泥くさい」持ち味は失っていない。「年齢は増えても若い選手に負けずに走り回りたい」と宣言。その言葉通り、ピッチを駆け回りゴールを決めた。「チームのコンセプトを守りつつ、自分の良さを出せている」。身長171センチのストライカーは最高の居場所を見つけた。【実藤健一】