東京が川崎Fに2-0で勝ち、国立で開催される決勝に駒を進めた。前半14分にMFレアンドロ(27)が直接FKなど2得点。その後は全員守備で、川崎Fの猛攻からゴールを守りきった。横浜に1-0で勝った柏と、11月7日の決勝で対戦する。

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冷たい雨の寒さを吹き飛ばす会心の勝利だった。前半14分、東京FW永井が左サイド深くで反則を獲得。角度のないところからレアンドロが直接狙い、GKの虚を突く形でニアサイドに決めた。後半17分にも左サイドを抜け出した永井のクロスをレアンドロが合わせて追加点。2人のホットラインが川崎Fのゴールをこじ開けた。東京サポーターのいない等々力で、長谷川監督が力強く拳を握った。

9月2日の準々決勝で名古屋に勝った時点から「この日に照準を合わせていた」と指揮官。直前のリーグ戦で主力の大半を休ませるなど、リーグで首位を独走する川崎Fに勝つために総力を注ぎ込んだ。

苦杯をなめ続けてきた。直近では7月のリーグ戦で0-4と完敗。中断期間中の練習試合では13失点とたたきのめされた。多摩川をはさんだライバルとされながら、力の差を見せつけられた。見つめなおしたのは「細部へのこだわり」と長谷川監督。球際の激しさ、素早い攻守の切り替え、疲労の中でもう1歩のプレス。ボールを奪われれば全員が自陣に駆け戻り、パスをつながれながらもゴール前で食い止めた。

今夏にDF室屋、MF橋本と代表クラスの主力を移籍で失った。長谷川監督も「埋め切れていない」と認めた戦力差は、全員攻撃と全員守備で埋めた。ついに難敵を破り、前身のナビスコ杯09年大会以来となる頂点が目前まで迫った。