昨年度王者の北海が、前回大会決勝で対戦した札幌第一との再戦を3-1で制し、8強に進出した。187センチ、74キロのFW寒河江健人(3年)が前半25分、後半3分と2得点。道大会2戦4発で得点ランクトップ、地区から4戦連続9発の絶好調エースが、チームを2連覇へと導く。

北海の点取り屋がしっかり仕事をこなした。前半25分、左クロスを逆サイドのMF笹森洸成(2年)が頭で折り返し、最後はゴール前の寒河江がヘッドで突き刺し先制。「練習通り」という連係で崩すと後半3分には相手DFのパスカットから2点目を奪い、勝利を引き寄せた。地区から全4戦9得点の活躍に「次もしっかり仕事ができるようにしたい」と前を向いた。

仲間の“生声”が力になっている。コロナ禍で声を出しての応援が自粛の中、大会前にベンチ入りできなかった7人の3年生部員が豊平川河川敷で複数パターンの応援歌を録音。試合前の練習時に流し、選手を鼓舞している。寒河江は「勇気が出る。出られない仲間の分まで勝ち上がっていきたい」と連覇を見据えた。

大会1週間前に背番号10のMF井波勇太(3年)が左膝を骨折し、全治3カ月の診断を受けた。初戦の前に井波から「とにかく勝ってくれ」とのメッセージが3年生メンバーに送られた。「全国に出れば井波が間に合うかもしれない」。昨年の全国選手権はFWとして先発も無得点で1回戦敗退。チームメートのため、自身の雪辱のため、点を取り続ける。【永野高輔】

◆北海・島谷制勝監督(51)のコメント 選手が辛抱強くやってくれた。1点返された後(後半20分で取られる)給水タイムで選手同士がしっかり確認しあえたのも良かった。