アルビレックス新潟はホームでファジアーノ岡山と対戦し、1-1で引き分けた。0-1の後半42分、MF中島元彦(21)の2試合連続ゴールでなんとか同点に追いついた。ピッチ外での問題でクラブが大揺れの中、選手は一丸となって戦い、最後まで勝利を目指した。次節は25日、アウェーで昇格圏内の徳島ヴォルティスと対戦する。

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「いい意味で日本人らしくない」。アルベルト監督(52)が冗談を交えながら評価する中島が、敗色濃厚のチームを救った。後半42分、途中出場の堀米悠斗(26)の左クロスをDF田上大地(27)がヘディング。ポストに弾かれたボールを最後は中島が押しこみ、何とか勝ち点1を手にした。

前半はMF高木善朗(27)を起点にMF本間至恩(20)や中島がシュートを放ったがゴールを割れず、スコアレスで前半を折り返す。後半は、途中出場の荻原拓也(20)と堀米が左サイドからチャンスを作ったが好機を生かせずにいると、ミスを突かれ先制点を許す苦しい展開となっていた。

試合前には、「多くの思いを踏みにじり、信用を失った。インフラを目指す以前に風通しのいいクラブ運営を」、「玉乃GM、責任ある立場から何の説明、謝罪もなし?」といった横断幕が掲げられた。是永大輔社長(43)、玉乃淳GM(36)は何を思うのか。失われた信頼をどう取り戻すのか。試合前には両者からサポーターへ向け謝罪はあったが、スタジアムの拍手はまばらで、反応は冷やかだった。

そんな状況でも選手はサポーターの拍手による後押しを受け、全力でピッチを駆け抜けた。攻守の切り替え、ボールへの執着心を見せ、気迫で相手を上回った。後半は、前節から中2日の影響もあってか攻撃の勢いは落ちたが、4793人のサポーターに粘り強さを見せつけた。

チームはこれで11勝11分け6敗で勝ち点を「44」に伸ばした。【小林忠】

〇…是永大輔社長(43)が試合開始1時間前の午後6時3分に、ファビオの酒気帯び運転に端を発した一連の騒動についてサポーターへ謝罪した。「このたびは申し訳ございませんでした。自分自身の稚拙な判断で、皆さんの、自分自身の愛するアルビレックス新潟の名誉に傷をつけてしまいました。情けなく、恥ずかしく、猛省しています。アルビレックス新潟を愛するすべての皆さまに謝罪させていただきます。本当に申し訳ございませんでした」と語り、頭を下げた。

▽アルベルト監督「ほぼ全ての時間帯を支配し、決定的なチャンスを作れていた。サッカーで起こりうるミスから先制を許したが、同点に追いつくことができた。我々は諦めず、前を向いて進んで行く」

▽中島「同点ゴールを決められて良かったが、前半のチャンスで決めていればもっと違う展開になった。次は勝ち点3を取れるように頑張ります」