ガンバ大阪が1-0で神戸を下し、12戦不敗(10勝2分け)で2位を守った。MF井手口陽介(24)に突然の故障が発生し、2年目MF奥野耕平(20)がJ1初出場初先発で勝利に貢献。新人FW唐山翔自(18)もJ1デビューするなど、過去4戦全敗だった本拠パナスタの神戸戦で初白星を挙げた。負ければ14日にも川崎Fの優勝が決まる可能性があったが、クラブ記録の13戦不敗へもあと1試合に迫った。

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普段はJ3が主戦場の選手が、J1デビューでイニエスタらスター軍団の神戸を完封した。「自分の特長をすごく出せた試合。それができたのも周囲のおかげ」とユースから昇格2年目の奥野。ルヴァン杯出場はあるが、J1のベンチ入りも今季開幕戦だけだった。

2日前、今季最大の活躍をしていた井手口に故障が発生した。前日、宮本監督に呼び出された奥野が、同じボランチで緊急先発。前半33分には、敵陣で神戸大崎から猛然と球を奪い取るなど、ハンターとなって攻守に活躍した。

宮本監督は「スクランブルだったが(奥野は)この好機を逃したくないというパフォーマンスだった。若い人が位置をつかむのは何かしらの運も必要。その上で彼は準備をしていた」。

後半39分には、U-19日本代表候補の唐山が4度目のベンチ入りで待望のJ1デビュー。前線で競り合いを続け、カウンター攻撃にも備えた。飛び級でユースから今季、プロ契約を結んだ高校3年。24年パリ五輪のエース候補は「1点を確実に決めたい」と誓っていた。

40歳MF遠藤が10月、J2磐田へ移籍。その後は、FWアデミウソンの道交法違反の疑いが発覚するなどクラブは揺れた。その中で宮本監督の若手起用などの手腕が光り、破竹の12戦不敗が続く。あと1試合でクラブ記録にも並ぶ。5季ぶりの優勝が懸かる天皇杯出場へは2位が条件。G大阪は無敵のまま年末年始へと向かう。【横田和幸】

◆G大阪のJ1連続不敗記録 西野監督時代の07年4~8月に樹立した13戦連続(9勝4分け)がクラブ記録。今回の12戦不敗(10勝2分け)は同2位。J1全体では12~13年に大宮が記録した21戦連続。