来季も続投濃厚なJ2アビスパ福岡の長谷部茂利監督(49)は、5年ぶりに復帰するJ1へ気持ちを引き締めた。

2位以上確定で悲願の昇格を決めた愛媛FC戦から一夜明けた17日。オンライン取材に応じ、あらためて歓喜を振り返り「自分たちのスタイルを貫き、いい戦い、いい結果が出せた。福岡を応援していただいている人たちに勝利と感動を届けられたと思う」と話し、安堵(あんど)の表情を浮かべた。

一方で、レベルが上がる来季へ課題が多いことも承知している。J1でも、前線のハイプレスからボールを奪う攻撃など、今季の攻守に主導権を握るスタイルは継続するつもりでいる。

だが「難しいのは点数を取ること。そこをもっと上げて行かないと、現状ではJ1では簡単に点を取れない。改善していかないと」。今季はリーグ最少29失点と堅守が光った分、50得点は10番目で攻撃力に危機感を抱く。また、J1とJ2の違いについて「ボールを扱う技術の差、運動能力の差がある。この2つは大きな差がある」という認識で、さらにチーム力、組織力を上げる必要性を感じている。

来季の指揮については「クラブからの発表を待っていただけたら」と笑顔で話すにとどめた。だが、クラブの評価は高く、続投は基本路線だ。ただその前に、最終節の首位徳島ヴォルティス戦(20日、ベススタ)へ「勝ち点で追いつきたい。得失点差があるが、可能性があるので、そこにトライする」と気合。仮に勝って徳島と勝ち点84で並んでも、得失点差に14の開きがあるため逆転優勝の可能性は低い。だが、勝負内容にこだわり来季の戦いにつなげてみせる。【菊川光一】