初出場の創成館(長崎)は「松沢イズム」でベスト4を狙う。就任10年目でかつて長崎(現J2)がJFL時代に在籍していた久留貴昭監督(38)は「ボールを持つ時間や守備意識を鍛えました。フィジカルの九州なので球際には自信がある」と臆することはない。

同監督の母校は名門・鹿児島実。指導の礎は、鹿実を全国屈指の強豪に育て上げ、数多くの日本代表選手を育成した元監督、松沢隆司さん(享年76)の教えだ。「1対1は絶対負けるな。セカンドボールをいかに多く拾うかをよく言われた。その教えが基礎なので、そういうところはしっかり指導してきました」。1年目から母校に“武者修行”。1人でも多くの経験者を集めようと、中学校へのあいさつ回りも地道に行い、無名校からの脱却を図った。同じ松沢門下生の松井大輔やYouTuberでもある那須大亮氏の話も指導に役立てる。2日には那須氏が来校し、紅白戦に加わるなど直接指導してくれた。夢の大舞台を前に、チームのムードは高まっている。【菊川光一】(おわり)

◆創成館 1962年(昭37)創立の私立校。共学で普通科、デザイン科があり、生徒数は767人(うち女子335人)。サッカー部は88年創部。主なOBは俳優の岡田健史、阪神川原陸投手や格闘家の広田瑞人。サッカー部の部員数は77人。所在地は長崎県諫早市貝津町621

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