新潟明訓高サッカー部で主将を務めたDF竹内豊(3年)が今春、1月の大学全国大会「アタリマエニ杯」で準優勝した法大(関東大学リーグ1部)に進学する。184センチの長身を生かした打点の高いヘディングとリーダーシップを武器に、昨冬の全国選手権新潟県予選ではチームを決勝進出に導いた。同大での即戦力と将来のプロ入りを目標に自らの技に磨きをかける。

言葉の1つ1つに、竹内は強い意志を込めた。「日本一に一番近い大学での競争を選んだ。1年生から即戦力になれるよう準備を進めています」。法大への進学が決まった1月中旬から後輩たちの練習に参加、筋トレは週6で行っている。昨冬の選手権県予選決勝(20年11月7日、対帝京長岡)時と比べて厚みを増した体は現在、ベンチプレス82・5キロを持ち上げる。「筋力アップはかなり手応えがある。どれだけ強くなったか早く大学生を相手に試したいです」と笑顔を見せる。

空中戦の強さと的確なポジショニングで危険の芽を摘むセンターバック(CB)は、さらに武器を増やそうと攻撃力アップにも取り組む。「現代のDFは守れるだけでは評価されない」と、ビルドアップに必要なパスの質やファーストタッチにこだわり、練習を繰り返す。「いいところにボールを置くことができればその分余裕ができ、いいタイミングでパスを配球できる」。理想は攻守にわたり、チームの中心として活躍できるCBだ。

法大はこれまで約70人のプロ選手を輩出した名門。昨季は新潟明訓出身でJ2ヴァンフォーレ甲府に入団したDF関口正大(22)が主将を務め、関東大学リーグ1部で4位、アタリマエニ杯は準優勝した。「ハイレベルな中に身を置くが、不安よりワクワクが大きい。同級生には全国区の有名選手も入ってくるが、負けたくない」。坂本和也監督(35)も「誰にでも遠慮せず、強く指示が出せる選手。4年間頑張って、ぜひプロになってほしい」と背中を押す。

高校入学時から書き始めたサッカーノートは6冊を超えた。「進学後も続ける。必ず自分のためになる」。新潟明訓の先輩で、やはりJ2甲府のMF中村亮太朗(23)と関口は、開幕戦(2月28日、対ジェフユナイテッド千葉)でそろって先発出場。身近な存在から大きな刺激を受けた。「社会福祉士の資格取得を目指す。ただ、第1希望はプロ入り。2人(の先輩)に続けるよう、サッカーも勉強も全力で取り組みます」。大学4年間で大きく夢を広げる。【小林忠】

<文武両道がモットー>

新潟明訓は県内有数の進学校であり「文武両道」がモットー。「勉強でもチームメートと刺激し合っていた」と竹内が言うように、FW反町太郎は早大へ進学。MF藤田梢紘は関東大学リーグ2部の立大でサッカーを続ける。

◆竹内豊(たけうち・ゆたか)2003年(平15)1月21日生まれ、上越市出身。春日新田小1年から直江津SSSでサッカーを始め、直江津東中では長岡JYFCに所属。新潟明訓では2年から主力としてプレー。19年にU-17新潟県選抜として第23回国際ユースサッカーin新潟に出場。184センチ、77キロ。利き足は右。