前節新潟戦で0-7の屈辱的敗戦を喫した東京ヴェルディが、ルーキーの力で推進力を取り戻した。

プロ初先発となったFW佐藤凌我(22=明大)が、プロ初ゴールを含む2得点の大活躍。開始2分にMF佐藤優とのヘディングワンツーでDF裏へ抜け出し、左足ダイレクトで先制ゴールを決めると、同点に追いつかれた後の後半28分には値千金の決勝弾。DF若狭のシュートがジャストミートせず、ゴール前の自分のところにこぼれたものを左足で押し込んだ。

前節の悪夢を振り払った佐藤凌は「この試合は、何がなんでも結果が大事だった。自分のゴールで勝利に貢献できて良かった」と、初々しい表情を見せた。

試合前、DF加藤から受けたアドバイスを実践した。「『立ち上がりはとにかく自分の持ち味を出して、前に走って、シュートで終われ。そこで自分のリズムをつかめよ』と言われた。その言葉どおり(1点目は)前に抜けていって、(佐藤)優平さんから良いボールが出てきた。(加藤)弘堅さんから言われた部分を出せたのと、それプラス、結果につながって良かった」と振り返った。

テクニックがあり、足元でパスを受けるのが好きな選手が多い東京Vの中で、FW小池とともに裏に抜けるのが持ち味の希少な選手。東福岡高-明大ルートは日本代表DF長友佑都の直系の後輩だ。端正なマスクとはうらはらに、先輩長友同様、泥くさいスタイルが売り。今後も貪欲にゴールを狙い、東京Vに新たなエッセンスを注入する。