青森山田が開幕戦から爆発した。前年度の全国選手権準優勝メンバーを軸に浦和ユースを4-0で圧倒。前半28分、FW渡辺星来(せら=3年)がロングスローの流れから先制し、同35分にも追加点を決めた。同44分、2年時から背番号「10」を背負う主将のMF松木玖生(くりゅう=3年)が約23メートルのミドルシュートを沈めた。後半4分にはMF田沢夢積(ゆづむ=3年)が続いた。

千両役者がビューティフル弾を突き刺した。前半終了間際、松木はMF宇野禅斗(3年)のパスを受け、勢いよくドリブルで持ち上がると、利き足とは逆の右足でコース狙いの鋭い一撃。「いい感じに前を向けて、シュートレンジで右足を思い切って振った結果入って、びっくりしました。コースもゴロで通そうと思っていたので、イメージどおりすぎて自分を褒めたいです」。右足では普段狙わない距離だというが、低い弾道でネットを射抜いた。

ゴールを奪い損ねた。後半にはFW名須川真光(まさき=3年)が獲得したPKのキッカーを務めた。193センチの相手GKと向き合い、時間をかけてシュート。惜しくも左ポストをたたき「やっちゃいました。キーパーがでかく見えてしまった。めちゃくちゃ悔しい」と苦笑いも、「次は決めます」と次戦11日の市船橋(千葉)戦への糧にする。

1年時から主力を担う松木は19年のプレミアリーグ制覇を経験。2大会連続準優勝の全国選手権でも、ここまで全試合に出場し、通算10試合6得点と存在感を示す。今年1月の選手権後にはフランス1部リヨンのU-19チームとセカンドチームに2週間の短期留学。世界を肌で感じた経験を飛躍につなげる。プレミア、全国高校総体、選手権の3冠に向けて「まずは1戦必勝で臨みたい」。主将、エースとして違いを生み、高校NO・1プレーヤーの地位を築く。【山田愛斗】

○…プレミアデビューのFW渡辺が2ゴール1アシストで勝利を呼び込んだ。前半28分、ロングスローが起点になった好機で、こぼれ球を左足で押し込み、ストライカーの嗅覚を発揮した。同35分の2点目は2トップを組むFW名須川とワンツーで崩し、ドリブルで1人かわして右足シュート。名須川とは「どっちが点を取ってもいいのでチームを勝たそう」と試合前に話し合い、結果につなげた。4点目も演出した渡辺は「今まで(プレミアリーグを)見てる側だったので、今、その舞台に立てていることがうれしいです」と勝利の喜びをかみしめた。

▼青森山田・黒田剛監督(50=4発快勝もPKを外すなど決定機を逃し)「4点取っているからいいではなく、何が何でも次あるチャンスを決めないといけない。(次戦以降)そういう部分にこだわらせていきたい」