鹿島アントラーズのDF犬飼智也(27)が15日、オンライン取材に応じ、17日の相馬新監督初戦となる徳島ヴォルティス戦に「とにかく結果を出すこと」と必勝を掲げた。

14日にザーゴ監督が解任となり、相馬直樹コーチが新監督に就任した。犬飼はザーゴ監督の解任に「選手たちが結果を出せてないから、監督が責任を取って辞めた形になったと思う。申し訳ないなと思いましたし、今いる人たちは、責任を感じなければいけない」と自らに言い聞かせた。

相馬監督からは球際、闘う姿勢、守備面などサッカーの本質について意識付けがあったという。この日はメディア公開で練習が行われ、紅白戦では白熱した球際の戦い、積極的な意見のすり合わせもあり、ピリピリした緊張感が漂っていた。犬飼は「監督が代わるということは競争も0からになる。そこが一番分かりやすい変化。ザーゴ監督に責任を取らせる形になったとみんなが思っていると思うし、みんながやらなくては、変わらなくては、という大きなきっかけになったと思う。そういうのが出ているのかなと思う」と振り返った。

今季は開幕の清水エスパルス戦で先制しながらも3失点し逆転負けした。そこから負の連鎖が続き、開幕ダッシュに失敗。今季は8試合でわずか2勝と15位に苦しんでいる。鈴木満フットボールダイレクターは開幕戦を挙げ「あそこから3失点で負けたことで自信、ベースが崩れてそれが尾を引いた感じがしている。チームのリズムを狂わせた、崩壊させた要因になった試合」と振り返っている。犬飼も「試合を重ねていくにつれて、結果も出ないし、やりたいこともできなくなってくるとなると、自信を少しずつ失っていって、味方を助けるポジショニングを取ったりとか、ていうのがなくなってきたなあと」と開幕からの戦いに言及した。

今は相馬監督の下で「強いアントラーズを取り戻す」ための戦いへ切り替えている。犬飼は「今は何よりも結果が必要だとみんなが思っていると思う。ザーゴ監督はいいサッカーをしていれば勝てる、だったと思うけど、僕的にはどんなサッカーでも勝つ、と思っています。良くなって勝っていくという考えでなく、勝って良くするという考え。チームとしての守り方を(相馬監督から)話してもらったので、やるべきことは分かっている。とにかく結果を出すことが大事」と言い切った。

20冠を手にした常勝鹿島。前節はコンサドーレ札幌に2-0から追いつかれ、常勝のイメージが影を潜める。犬飼は「そう(常勝と)言われていたのは、今まで築き上げてきた在籍した選手があっての鹿島のイメージ。今いる選手は結果を出せていない。もう1回、そう思われるチームに今いる選手がつくっていくところにきていると思う」。相馬監督同様、選手たちも常勝軍団への再建を胸にピッチに立つ。【岩田千代巳】