宮本恒靖前監督(44)を解任したG大阪は、再出発となったホーム浦和戦を0-3で完敗し、今季初の3連敗となった。今季最多3失点を前半だけで許すなど、これまで我慢してきた守備が決壊。暫定的に就任した松波正信監督(46)が目指したゴールも遠く、開幕11試合で8度目の無得点試合になった。通算1勝4分け6敗で順位はJ2自動降格圏18位のまま。

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新体制で臨んだG大阪には、厳しすぎる現実が待っていた。宮本前監督の解任を14日に発表し、2日間の準備で迎えた一戦。次期監督が決まるまで暫定的に就任した松波監督(強化責任者兼務)は「選手は本当によく前向きに取り組んでくれた」と話したが、今季最多3失点、8度目の無得点試合で完敗した。

宮本体制時の4-3-3ではなく、4-2-3-1に挑戦した。トップ下で先発したMF倉田は「いい流れをつかんで、どんどん上に行こうと戦っていたが、0-3で負けているので、自分たちの実力が足りないのか」と言う。無観客とはいえ、5度目でも今季ホーム初勝利はならなかった。

開幕10戦で総得点3という異常な得点力不足が、監督交代の最大の引き金だった。この日はFW宇佐美が2列目から強引にドリブルで仕掛け、後半12分に倉田が強引にシュートを放つなど、理屈ではなく、闘志を前面に出した。

だが、得点を過剰に意識したためか、3失点目は敵陣での不用意なパスミスからカウンターを浴びた。最近5試合で複数失点は4度目。得点力不足に続いて守備まで崩れ始め、得失点差はマイナス9に悪化した。

後半から出場したFW塚元は「プレーするのは選手で、勝てないことで責任が回ってくるのが監督。前の試合で自分が点を決めていれば、ツネ(宮本)さんがもしかして監督やっていたかもしれない」と悔やんだが「負けたが、みんな上を向いている」と気持ちを切り替えた。6戦未勝利が続くG大阪は、どんな内容でも今は2勝目がほしい。【横田和幸】