飛龍(東部9位)が下克上で3回戦進出を決めた。昨秋の県選手権覇者で第1シードの藤枝明誠(プリンスリーグ東海)に1-0。後半15分にMF佐野琢磨(3年)が挙げた1点を守り切り、今年2月の新人戦で敗れた相手にリベンジを果たした。優勝候補筆頭の静岡学園(プリンスリーグ東海)は3-0で浜松東(西部9位)に完勝。28本のシュートを放ち、力の差を見せつけた。

飛龍が番狂わせを起こした。0-0で迎えた後半15分、味方からの右クロスにMF佐野琢が反応した。中央に走り込みながら右足ダイレクトで先制点。「練習していた形だった」と理想のゴールで先手を取った。残り10分間は防戦一方。相手のパワープレーに押し込まれたが、GK池田航太(3年)を中心とした守備陣がゴールを死守。試合終了の笛が鳴ると、歓喜の輪をつくった。

どん底からはい上がってきた。東部地区大会は決勝トーナメント2回戦で沼津東にPK戦で敗れた。その後は、負ければ県大会出場が途絶える敗者復活戦を勝ち抜き、辛くも県切符を獲得。佐野琢は「1度負けたことで守備意識が変わった」。悔しい敗戦が転機となり、練習から球際の攻防も激しくなったという。15日の県大会初戦は島田工に9-0。連戦の疲れを感じさせない勢いで、明誠の攻撃陣も封じ込めた。

菊川達也監督(43)も選手の成長に目を細めた。「負けをきっかけに締まってきた。今はすごくいい状態」。2月の新人戦で敗れた相手にリベンジしたことで、さらに勢いは加速している。池田は「次も無失点で勝ちたい」と強調。よみがえった飛龍が、東部勢初の全国大会出場を目指して突っ走る。【神谷亮磨】