清水桜が丘(プリンスリーグ東海)が劇的勝利で8強入りを決めた。東海大静岡翔洋(中部5位)に2-1。同点で迎えた後半ロスタイムに決着をつけた。FW大瀧秀一(3年)は右CKからのこぼれ球を左足で押し込み、決勝点。ゴール後は歓喜の雄たけびを上げた。再開のキックオフ直後に試合終了の笛。ラストプレーで勝利に導いたヒーローは「最高の気分です」と満面の笑みを見せた。

負けられない気持ちは普段よりも強かった。大瀧は翔洋中出身。相手には顔なじみの選手が多く、「最初はやりづらかった」と厳しいマークも受けた。それでも、前半17分に先制点を挙げると、本来の動きを取り戻した。「相手選手の特徴は分かっていた」。後半は前線からのハイプレスでチームに貢献。中学までプレーした“古巣”相手に、自身の成長を証明する2ゴールを奪った。

高校入学後は2度の鎖骨骨折などで長期離脱を経験。今年2月の新人戦からレギュラーに定着した苦労人が大一番で輝いた。大瀧は「試合後に泣いている翔洋の選手もいた。いろんな人の期待に応えられるプレーをしたい」。前回大会覇者のエースは、かつての戦友の思いも背負って頂点を目指す。【神谷亮磨】