フランス1部・マルセイユから浦和レッズに完全移籍で加入した日本代表DF酒井宏樹(31)が14日、オンライン上で入団会見に臨んだ。柏時代の12年以来、9年ぶりのJリーグ復帰。赤いユニホームに袖を通し、会見の場に登場した。

一問一答は、以下の通り。

-このタイミングでJリーグに戻ってきた理由、そして浦和に加入を決めた理由は

退団した理由はシンプルにこれまで4年間、外国人枠として強い責任感を持ってやってきた。右サイドバックの序列がただ一番だったというだけで試合に出ていた。自分としての大きな活躍、チームの中での、絶対的な立場を確保できなかった。外国人枠を取っていたのことに責任があった。大好きなマルセイユから離れるべきなのかなと思っていた。もともとマルセイユにいた時に、最後の欧州のチームと思っていた。2回も契約延長できて。僕も家族も本当に大好きな場所。大切な時間を過ごせた中、もともと日本は考えていた。自分にいい意味でのプレッシャー、責任感、緊張感をもたらしてくれるクラブを探していた。浦和レッズはマルセイユのようなサポーターもいますし、緊張感、責任感があるクラブ。そういうことで、お受けさせていただきました。

-意気込みは

求められていることはピッチ内外。全てだと思うし、臨機応変で変わってくるが、自分に出来ることをマックスでやるべき。求められる範囲内でやっていきたい。

-赤いユニホームに袖を通しての感想

ハノーバーの時も赤。代表の練習着も赤。違和感はないけど、加入した実感はわいてきた。似合うようなプレーをピッチで示していきたい。

-浦和決断を話した際の、周囲の印象は

レッズは歴史あるクラブ。小さいころからタイトル決定戦というか、ガンバ大阪との最終節とか、YouTubeとかで見ますし、あれだけの熱のこもったサポーターもいますし、あの時期がまた来ればいいと思うし。そこに貢献できたらいいなと思う。

-クラブハウスを見て

どこも、初めての場所なので。すごく新鮮な気持ちでしたし、導線を覚えることに必死でした。

-設備は

日本のクラブなので、いろんなところまで行き届いていますし、ところどころまで細かい設備が整っているなという感じです

-レッズの選手とはコミュニケーションは

代表でも知っている選手はいますし、同い年はいないので、新鮮ですけど、コミュニケーションを取りながらやっていきたい。

-五輪にオーバーエエージ(OA)で参加。今後の調整は

これからじゃないですかね。出るからには、(東京五輪で)金メダルを目指してやりたいし、どの日程で終わるか分からないし、どこから出てほしいと言われるか分からないし、長く休みを取りたいタイプではないですけど、けがのリスクと相談しながらやっていきたい。

-リカルド・ロドリゲス監督の印象

監督が変わってサッカーが変わりましたし、クラブとしての思い、理念は反映されているのではないかという印象はあります。

-代表ではOBの原口から、五輪では浦和所属のGK鈴木彩艶(ざいおん)、OBのDF橋岡から話は

(橋岡)大樹、(鈴木)ざいおんから話を聞きましたし、彼らも浦和が大好きですからね。好印象は言ってくれました。

-日本以外に考えは

行ってみたいのが日本だった。欧州でも探せば出てきたと思いますし、やれる自信もありましたが、やれる内に日本でと思っていたので、緊張感を与えられるのは逆に日本の方が1試合、1試合あると思っていた。楽しみがあった。

-柏のイメージが強い。選択肢の中から、浦和を選んだ理由は

レイソルに関しては、フランスにいる時から連絡を取っていた。行くタイミングではないと思いました。そういう話は自分からしていないし、自分の好きなクラブの1つだけど、今回はシンプルに浦和に行きたいと思ったところです。

-海外での経験を日本に還元したいと話していた。今回の決意につながったか

今回の移籍は単純に自分が決めたことで、人間関係も、家族も全力でマルセイユを愛してくれていたので、ほとんどの人は反対はされていたけど、これまでも自分で移籍先を決めて成功させてきたので、今回の移籍を決めました。自分がプレーで、こればかりは証明していくしかない。

-浦和も世代交代や新たな戦力が台頭。そういう若い選手に、どういうマインドを注入するか

自分が伝えたい方がいいことは伝えますけど、選手1人、1人の個性を伸ばして貰うことが一番。代表はいろんな個性をもった人が集まる。それをこうした方がいいと言うつもりはない。学ぶこともあるので、一緒に成長できたらいいなと思います。

-来年ワールドカップ(W杯)。欧州にいた方がいいのでは

これまで2大会出させてもらった。ただ、その中で常にクラブがプライオリティーが一番。モチベーションが大事で、それがなければ、日々つまらないものになる。そこに重きを持っているので、森保監督にも言ってある。遠慮せずに言ってほしいし。無理なら外してもらっていいし。ここでやることが楽な道とは思っていない。期待、ハードルは高いと思っている。強い覚悟、強い責任感もってやりたい。

-西大伍との競争

これまで誰とも、競争したことがない。一緒にやれることが楽しみ。西大伍選手にも、浦和に決まった段階で連絡させてもらいましたし、一緒にやることが楽しみ。ライバル関係になるかもしれないし、楽しみ。ポジションなんて、11人いるようで、いろんなポジションをこなしていくので、右側と思ってくれたらいいかなと。

-浦和でもレギュラーの確約はない。そこで、どうするか。

その時々で監督に求められることも違うし、試合状況でも変わってくる。勝利を目指すことは変わらない。逆にマルセイユでは僕がいなければダメだったかと言われると、それは? がつく、と僕は思っていた。それぐらいの熱量を持ってやっていた。嫌われる前に出ようと思っていた。

-武器はどのようにアピールを

長所はみなさんが決めること。僕は全てが長所だと思っている。

-柏時代に戦って、浦和のゴール裏はどんなイメージ

こわかったですよ。マルセイユもそうだったし、そのサポーターが味方になることは心強いし、埼玉スタジアムでも優勝を決めたので、いい思い出しかない。先ほどからマルセイユ、マルセイユと言っていますけど、その肩書きはいったん捨ててまた0からやっていきたい。これから、宜しくお願いします。

-ロドリゲス監督と話は

オンラインでして、今の浦和が1人が1つのポジションをやるって訳ではない。試合中に、どんどん変えるプレーをしていきたいと思います。

-フロントからも期待は大きい

僕からも期待感は大きい。上から目線ではなく、野心というか、チームを変えようという気を受け取ったので、そのピースとして頑張っていきたい。闘莉王さんや小野伸二さんがいたころとか、小さいころから見ていた。またそういう強い浦和レッズを見せれるように頑張っていきたい

-ACLへの思い

まだまだ、Jリーグは強いチームたくさんある。確証はないけど、浦和は出なきゃいけないクラブ。その目標を達成できるように力になれたら。

-そのために必要なこと

間違いなく勝利、結果。内容は上がっている。細かな部分は、合流して見えてくる。楽しみです。

-Jリーグ、欧州では強度の違い部分があるが

まさしくそこが楽しみ。Jリーグは実質1年しかやっていない。あの時は何も考えていない時期だった。欧州で培ってきた部分プラス、何をもたらしてくれるか楽しみ。ドイツからフランスに行っても、チャンピオンズリーグでも、全くサッカーが違う。日本もサッカーが違う。アジャストして出せるか、楽しみな挑戦だと思います。

-浦和で何を成し遂げたいか

タイトル、自分の中で日々、充実感をもつような活躍をしたい。活躍をしないといけない。私生活にも影響は出てくる。ゆっくり休めない。1試合、1試合、大切に全力でやっていきたい。

-背番号2。そこに対するこだわり、思いは

2番が空いていたということと、2番は思い入れがありますし、ポジティブな印象はあるし、レジェンドの方々が着ていた番号。責任感は生まれますし、いろんな意味合いも込めて。

-浦和のファンから何て呼ばれたいか

何でもいいです。代表の時は宏樹と呼んでもらっていましたけど。

-目標とする選手

マンチェスターシティーのカイル・ウォーカー選手。チャンピオンズリーグで戦った時も、圧倒的なパフォーマンスを見せていて。試合後に、ユニホーム交換させてもらいました。