川崎FのU-24日本代表MF田中碧(22)が、ドイツ2部デュッセルドルフから獲得オファーを受けていることが19日、分かった。川崎Fは同日、ACL1次リーグのためウズベキスタンに出発したが、田中は同行しなかった。移籍交渉のためとみられ、近日中にもドイツに渡り、メディカルチェックを経て正式契約を交わす可能性がある。オファーは買い取りオプション付きの期限付き移籍で、期間は来年6月末までの1年。関係者によると、移籍が成立しても、選出が確実な東京五輪でのプレーに支障はないという。

田中は小学生のときから川崎Fの下部組織で育ち、17年にトップ昇格。19年にレギュラーをつかみベストヤングプレーヤー賞(新人賞)を受賞。リーグ優勝した昨年はベストイレブンに輝いた。広い視野で、ボール奪取能力にも優れた万能型ボランチ。年代別の日本代表でも活躍してきた。東京五輪でもボランチのレギュラー候補で、9月からW杯アジア最終予選を戦うA代表でもレギュラーを狙う気鋭の若手だ。

川崎FはACLや東京五輪後の移籍を望んでいるが、最後は本人の意思を尊重する模様。中心選手の移籍となれば痛手だが、MF大島がけがから復帰間近と層は厚い。ACLは中2日の6連戦のため、田中を除く全選手でウズベキスタンに向い、悲願のアジア王者への戦いをスタートさせる。

◆デュッセルドルフ 1895年創設。西部の州都デュッセルドルフがホーム。古豪でドイツ杯で2度の優勝がある。かつて宇佐美貴史、原口元気も在籍。20-21年シーズンは2部5位で、新シーズンも2部。ドイツ人のプリューサー監督が率いる。本拠地はメルクール・シュピール・アレーナ(収容約5万人)。