セレッソ大阪は傑志(香港)に逆転勝ちし、開幕2連勝でJ組の単独首位に立った。後半24、26分のわずか2分間にFWアダム・タガート、DFチアゴが連続得点して逆転。重苦しい空気を一気に振り払った。

その中でゴールを決めた主役たちに負けない活躍をしたのが、今年3月から日本代表に選出されているMF坂元達裕(24)だ。

タガートの同点弾の場面は、DF松田陸のパスを受けた坂元が得意のドリブルで持ち込み、フェイントをかけながら強引にゴール右から利き足ではない右足で速いクロスを入れた。それを相手GKがはじき、ゴールを決めたタガートの前にこぼれた。背番号17が最高のお膳立てをした。

「前半はなかなか攻めきれずに先制され、難しい形になった。なかなかシュートまでいけない時間帯が続いたが、1対1でチャレンジし、ゴールにつながればと思っていた」と坂元。

今月中旬まで活動した日本代表で坂元は、ワールドカップ(W杯)アジア2次予選2試合に出場。15日キルギス戦ではCKから得意の左足でアシストを記録するなど、確かな爪痕を残してきた。ただ、代表の右2列目はMF伊東純也(ゲンク)らがおり、競争が最も激しい。得点に絡める強力な選手ばかりで、初代表の24歳が危機感を覚えたのも事実だった。

今回のタイ遠征に出発する直前には、坂元は「活躍して海外に行きたい気持ちは前からあったが、今のままではダメだと感じた。成長してから行かないと通用しない」と発言したように、よりゴールに絡む動きを自らに求めていた。その中でACL2戦目で確固たる結果を残した。

「今日は課題が残ったので改善して、次も勝ち点3を取れるようにやりたい」

ACLに3年ぶり4度目出場のC大阪は、過去最高がベスト8で悲願のアジア制覇を狙う。第3戦は30日にここまで1勝1敗で3位につけるポートFC(タイ)と対戦する。途中交代したタガートの負傷具合は心配されるが、殻を破り続ける坂元が中心となり、まずは1次リーグ1位突破を目指す。【横田和幸】