日本代表DF長友佑都(35)が、4144日ぶりにJ1に帰ってきた。古巣の東京に復帰し、18日の第29節ホーム横浜FC戦に先発出場。青赤のユニホームを身にまとい、左SBでピッチに立った。22年W杯カタール大会出場を目標と公言する男が、新たな1歩を踏み出した。チームは前半だけで3得点を奪うなど4-0で快勝した。

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冷たい雨も気にならない熱気を、長友が味スタにもたらした。背番号は50。ユニホームのパンツを太ももあたりまでまくり上げ、左サイドを疾走。前半18分には相手陣内でボールをキープし、FWアダイウトンのチャンスを演出した。妻で女優の平愛梨もスタンドで見守る中で最後まで声を張り上げて仲間を鼓舞した。快勝で終え「長友はパワーとエネルギーしかない。東京は絶対に強くなるなと確信を持っている」と力強く語った。

まさに待望の存在だ。前節はホームで0-1の敗戦。長谷川監督は「根本の部分で熱い気持ちがこのチームに足りなかった」と話した。元気印としての役割も35歳が果たし、合流からわずか3日間の練習でチームの雰囲気は変ぼうした。指揮官は「長友の存在でぐっと勢いが出た。いつでも太陽のような選手」と、存在感を表現した。

目標は22年W杯でプレーすること。約11年間に及ぶ海外挑戦で、世界基準は心身に刻み込まれている。「移動の負担や時差調整など、コンディション面では圧倒的に(国内が)優位。最高の状態で最終予選とW杯を迎えられるのは大きなメリット」と、自身4大会連続となるW杯から視線はぶれていない。

初めてJ1のピッチに立った08年の開幕節ホーム神戸戦は1-1のドローだったが、“再デビュー”は白星で飾った。「東京を世界のレベルに持っていきたい」。W杯という野望を胸に精悍(せいかん)さを増して帰還した頼もしい男とともに、東京が連勝街道に入る。【岡崎悠利】