J1清水エスパルス、浦和レッズなどでプレーし、関西社会人リーグ1部のおこしやす京都に所属するFW原一樹(36)が、今季限りで現役を引退することを29日、表明した。この日は、08年に53歳で亡くなった母裕子さんの命日だった。

自身の公式インスタグラムで「私、原一樹は2007年からJリーグで13年間、2020年から地域リーグで2年間プレーさせて頂き、この15年間最高のサッカー選手人生を送らせてもらいました。たくさんのチームメート、ファン、サポーターに支えて頂いたおかげでJ1、J2、J3で13年間で360試合で105点取ることが出来ました。僕には出来過ぎの、誇れる結果です!! 本当にありがとうございます」と報告した。

千葉・市船橋高、駒大を経て07年に清水入り。Jリーグでの“得点率”は驚異の2割9分1厘を誇る生粋のストライカーとしてキャリアを歩んできた。

20年から所属するおこしやす京都では選手兼クラブ職員として活動してきた。「2020年からはデュアルキャリアでサッカー選手と仕事をさせて頂き、今までとは違う生活、環境からたくさんのことを学ばせて頂きました」と貴重な経験を積んだ。

いつも信じて、優しく背中を押してくれた母からの教えが決断を後押しした。「大好きなサッカー選手を辞める決断をしなければ、次にやりたい事も見つからず、今までの経験、技術に頼り向上心に欠ける自分との闘いをしてサッカーをプレーしてしまう気がします。僕は自分を信じ、仲間を信じ、応援してくださる皆様を笑顔にしようと常にゴール、勝利を目指し闘ってきました。だからこそ、セカンドキャリアでも自分を信じ、たくさんの皆様を笑顔に出来ることをして、応援してもらえるよう努力して行きたいと思います」と今後への決意を込めた。

最後に「残り最大7試合、JFL昇格のために全力で頑張りたいと思います。今後とも、よろしくお願い致します」と結んだ。大好きな母が旅立った命日に、未来への決断を下した。【09~11年J1清水担当・為田聡史】