敵地での「多摩川クラシコ」に臨んだFC東京は、1点が遠く敗北を喫した。

前半に先制点を許し、その後は両者得点なく後半ロスタイムに突入した。東京はラストプレーで、ペナルティーエリア手前の好位置で直接FKを得た。MF三田啓貴が左足で狙ったシュートはペナルティーエリア内にいた川崎フロンターレのDF山根視来に当たってピッチ外へ。左腕付近に当たっていたことから選手はハンドを猛アピールしたが、ビデオ・アシスタント・レフェリーによる確認も行われた上でハンドなしと判定された。

試合後も、DF森重真人らを中心に選手は猛烈な主張を続けるシーンもあった。取材対応したFWディエゴ・オリヴェイラは「ハンドだったとは思うが、アウェーだったこともあるかもしれないが、(判定に)納得がいかないと思ってしまった」と率直な心境を語った。

敗れたとはいえ、試合を通して放ったシュートは18本。川崎Fを大きく上回った。長谷川健太監督が「決定機は我々のほうが多かった」と振り返ったとおり、前半からDF長友佑都の左クロスにFW田川亨介が左足で合わせたシュート、後半には途中出場のFW永井謙佑がGKを振り切って無人のゴールにシュートを打つなど多くの得点機があった。

ただ永井のシュートは執念でゴール前に戻ったGKジェジエウのクリアで阻まれるなど、最後まで王者の堅守を崩せなかった。指揮官は「決定機を防ぐチャンピオンチームの気持ち、緻密な戦術が落とし込まれている」と相手をたたえた。