ヴィッセル神戸が終了間際、途中出場のFWドウグラスの一撃でアビスパ福岡を下して勝ち点60とし、3位をキープした。勝利の決め手は「選手層の厚さ」だった。

試合の流れは厳しかった。日本代表FW大迫が負傷で欠場。攻撃陣は武藤とボージャンを中心に臨んだ。今夏、新加入の元バルセロナFWボージャンは初先発だった。しかし、高い位置からプレスをかけてくる福岡の戦術に封じられ、前半はノーゴールに終わった。

後半16分にドウグラス、リンコンの攻撃的選手を同時投入。さらにイニエスタを下げて中坂と、1点を取るためのカードをベンチに置く強みがあった。

大迫もだが、元日本代表MF山口の不在が、戦いに大きな影響を及ぼしているのは否めない。それでも勝ちを拾えるのは、分厚い戦力が大きな要因なのは間違いない。ドウグラスもけがなどで約1カ月の離脱。8月28日のFC東京戦以来、出場は7試合ぶりだった。

三浦監督は「福岡も組織的に守備をしてきたが、後半は足も止まるだろうとトレーニングしてきたクロスから得点が生まれた。90分、ゲームは支配できた。ナイスゲームだった」。欠けても補えるピースがある。総力の強みを武器に、まずはACL出場圏内の3位を守り抜く。【実藤健一】