“世界のリナレス”が見守る前で、首位青森山田が勝利への執念を示した。浦和ユースに1-0で競り勝ち、2位清水ユースに勝ち点6差をつけた。ボクシング元世界3階級制覇王者のホルヘ・リナレス(36=帝拳)が、初めて青森の地を踏み、同校OBの友人らと試合を電撃観戦した。

ボディーブローのように打ち続けたシュートが実った。その数は相手の2本に対して15本。0-0の後半36分、CKからDF多久島良紀(2年)が左足を振った。「なかなか得点が入らなかったけど、最後は気持ちで押し込みました」と決勝ゴール。大量得点での“KO勝利”はならずも、大きな勝ち点3をつかんだ。

王者×王者だ。リナレスは試合後に今夏全国高校総体を制した青森山田イレブンと記念撮影。「サッカーは大好きです」と流ちょうな日本語で話し「昔からテレビで見ていたけど、生の方が好き。こんなに近くで試合が見られたのは初めてだし、シュートがいっぱいで楽しかった」。高校生離れした屈強な肉体を誇る選手たちを「みんな若いのにすごいし、17、18歳で素晴らしい体。私が21歳で初めて世界王者になった時は細かったので、全然違う体をしている」と絶賛した。

全国高校総体、プレミアリーグ、全国高校選手権(3日に県大会準決勝)制覇を狙う青森山田へ「チャンピオンになってほしいし、これからも応援します」。元世界3階級制覇王者のエールを力に無敵の3冠王者に輝く。【山田愛斗】